海岸に仮祭壇、奉納打ち 輪島・名舟大祭で御陣乗太鼓
石川県無形民俗文化財「御陣乗(ごじんじょ)太鼓」発祥の地、輪島市名舟町の名舟大祭は1日、同町の海岸で行われた。地震の影響で従来の2日間から1日間のみの開催となり、この日は、独特の面をかぶった男衆6人が地震からの復興への願いを込めて御陣乗太鼓を奉納した。 地震で地元の白山神社は全壊し、これまで御陣乗太鼓を演奏していた舞台は土砂崩れで埋まった。この日は海岸に設けられた仮祭壇で神事が行われた後、御陣乗太鼓の奉納打ちが行われた。夜叉(やしゃ)や幽霊の面を着けた男衆が雄たけびを上げながら迫力満点の演奏を披露した。 ●「復興へ一歩」 御陣乗太鼓を奉納した江尻一希さん(30)は「神様に向けて太鼓を打てて、新たな一歩を踏み出せた。復興への一歩になる」と語った。神輿(みこし)の海上渡御は行わなかった。