パリ五輪でアメリカを5連覇へ導いたレブロン「自分たちのやるべきことを全うした」
■2028年のロサンゼルス五輪は「さすがに自分がいるとは思えないね」
「自分が今もこうしてプレーできて、ハイレベルな舞台にいられることをものすごくありがたく思う。そして俺たちは金メダルを手にした。それが最も重要なことであり、すごくクールなこと」 パリオリンピックの5人制男子バスケットボールで、アメリカ代表の主軸を務めたレブロン・ジェームズはそう語り、大会5連覇を喜んだ。レブロンにとっては2012年ロンドン大会以来、実に12年ぶりのオリンピックとなったのだが、この男の支配力は健在だった。 全6試合で2ケタ得点を奪った“キング”は、大会平均24.5分14.2得点6.8リバウンド8.5アシスト1.3スティールにフィールドゴール成功率66.0パーセントを残し、大会MVPとオールスター5(大会ベスト5)に選出。 ステフィン・カリー、ケビン・デュラントを筆頭に、超豪華なスター軍団を送り込んだアメリカで、レブロンは味方のイージーショットを演出したアシスト、強靭な肉体と高度なバスケットボールIQを駆使したディフェンス、持ち前の力強いドライブで相手守備陣を強行突破して追加点を挙げるなど多方面に渡る活躍が光った。 「俺たちは一丸になってやったんだ。自分たちが欲していたことを成し遂げた。俺たちは(優勝という)共通のゴールを持ってこの大会に臨み、自分たちのやるべきことを全うした」 そう口にしていたレブロンにとって、オリンピックで金メダルを手にするのは2008年北京大会、2012年ロンドン大会に次いで3度目。アメリカは昨年のFIBAワールドカップ2023で大会4位に終わり、2019年の7位に続いて2大会連続でメダルを逃していた。 今大会でリーダー格を務めた男は「すごく早いうちから、このチームを組み立てていった。昨年夏のプレーぶりは好ましいものじゃなかったんだ。そこで俺たちは早いうちにチームを構築していった。1カ月足らずでチームを形成していく必要があったからね。そうすることができて良かったよ」と、今大会で成功した要因を話していた。 そのレブロンは現在NBA最年長の39歳で、今夏ロサンゼルス・レイカーズと2年の再契約(2年目はプレーヤーオプション)を締結。今年の年末に40歳を迎える男は、歴代最長タイのキャリア22シーズン目を迎えるのだが、依然としてリーグ有数の実力者でもある。 ただし、2028年にロサンゼルスで開催される次回のオリンピックには「いやぁ、俺がLAでプレーするとは見ていない。パリでさえ自分がプレーするとは見ていなかったんだ。今から4年後だから、さすがに自分がいるとは思えないね」と話していた。 4年後、レブロンは43歳を迎えている。もしこの男が健康体を維持し、プレーメーカーやスポットアップシューターなどロールプレーヤーとして現役を続けることを望むのであれば、2028年もコートに立っている可能性は決してゼロではないのかもしれない。
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