23年青森県がん死亡率 20年連続全国最下位
人口10万人当たり何人ががんで死亡したかを表す青森県の75歳未満年齢調整死亡率が、2023年は86.1(前年比2.1ポイント悪化)となり、20年連続で47都道府県中最も悪かったことが13日、国立がん研究センター(東京)のまとめで分かった。男女ともに数値が悪化し、全国平均との差が拡大した。主要部位のうち、大腸がんは2.7ポイント悪化の14.4で全国ワースト。肺がんと乳がんはほぼ横ばいだったが、前年に続き最下位となった。 男女計の死亡率86.1は、全国平均の65.7と比べ20.4ポイント高く、22年の16.6ポイント差からさらに大きく開いた。男女別では、男性が105.7(前年比4.4ポイント悪化)、女性が69.6(同0.2ポイント悪化)。男性は20年連続、女性は12年連続で都道府県別順位がワーストだった。 部位別では、肺がんが0.1ポイント改善の16.1、乳がんが横ばいで13.6。肝がんは0.3ポイント増の4.3、前立腺がんは0.8ポイント増の3.2で悪化した。一方、胃がんは1.0ポイント減の7.7、食道がんは0.2ポイント減の3.0、子宮がんは1.4ポイント減の6.9、卵巣がんは1.3ポイント減の3.4と改善した。 都道府県別順位は、子宮がんと食道がんが22年に引き続きワースト(47位)。前立腺がんは前年の39位から47位、肝がんは31位から43位に順位を下げた。胃がんは変わらず45位だった。卵巣がんは38位から14位に順位が大きく改善した。 06~21年まで16年連続全国ワーストだった大腸がんは、22年は46位と改善したものの、23年は再びワーストに。大腸がんのうち、結腸がんの死亡率が9.4(同2.7ポイント悪化)となり、全国順位も前年の37位から47位に下がった。 県健康医療福祉部の守川義信部長は「数値が良くなっている部位もあるが、全体として数値が悪くなっていることや、特に下部消化管のがんが悪くなっていることは重く受け止めている。本年度から始めたがん精密検査の受診費用補助を活用してもらうとともに、さらに精検を受けやすい仕組みを考えていきたい」と話した。 ◇ がん年齢調整死亡率 75歳未満を対象に高齢化の影響を排除し、地域間の年齢構成のばらつきによる影響が出ないよう、統計上の調整をして算出する。現実の年齢構成で計算すると、高齢者が多い地域が高めに出る傾向があることから導入された。人口動態統計のがん死亡率より正確に死亡率の年次比較をすることができる。