デザイナー鈴木真悟のサッカー古着の着こなし術。“クセつよ”3着を普段のコーデに取り入れるコツ解説
「デイビッド・ベッカムは、サッカー選手であり、ファッションアイコンでもある。しかも、このアイテムは程よく時間が経ち、ベースとなる黒のボディにもヤレ感や色のくすみが出てきていい。インパクトはありますが、いい生地感のおかげで着こなしやすいと思います」。
サイズはMで、鈴木さんにはジャスト。このサイズ感も考慮して、全体のバランスを考えたと鈴木さんはいう。 「Tシャツの印象を調整するためにGジャンを羽織るのもアリ。普段から着ているアイテムを合わせるとサッカー古着も取り入れやすくなります。 上下ともにジャストだと窮屈に見えてしまうのでボトムスにはゆとりのあるパンツを選びました」。
19SOの白パンツは単にワイドなわけではないところもミソだ。 「ウエスト周りやモモ周りは余裕があってカジュアルに仕上げていますが、膝下へ少しテーパードをかけていることでダラしなく見えません。クセが強いフォトTにもよく馴染むと思います」。
足元はお決まりのヴァンズ。Gジャンと同じ要領で、Tシャツ以外を馴染みのあるアイテムで固めることでサッカー古着との距離も自然と縮まる。
③ サッカーブルゾンにはショーツ&ヴァンズを
3着目に選んだのは、セリエAの名門チームで知られるユヴェントスのブルゾン。チームカラーの黒×白の配色に青を加えた珍しいデザインと背中にデカデカと入ったチームロゴがポイントだ。 鈴木さんはデザインはもちろん、素材感にも惹かれたと話す。 「シャカシャカした生地感で、裏地にメッシュを採用しているので通気性もいいですね。肌にまとわりつく感じもないので心地よく着られそうです」。
「上下ナイロンの同素材を合わせてみました。長丈のパンツだとスポーツウェア感が出てしまいそうなので、ショーツで変化をつけています」。
黒、白、青の3色で全身をまとめたのもポイントだ。 「19SOのショーツは、昔あったアーミーのトレーニングパンツをイメージしスポーティな素材で作りました。今回は色味を3色に抑え、トップス、パンツ、足元とベースカラーを黒にしています。 ただ、ブルゾンのヨーク部分が白なので重苦しくないですし、ブルゾンの合間に入ったブルーで清々しい印象もあると思います。主役の古着に合わせて周辺アイテムのカラーを決めていくとコーディネイトがキマりやすくなります」。
「ナイロンのブルゾン&パンツの足元には、あえてキャンバススニーカーを合わせました。テック系のスニーカーだとスポーティになりすぎますし、サンダルだとフットサル帰りにも見えてしまう……クラシカルなヴァンズでハズすのがポイントです。ローファーでもいいかもしれませんね」。 ◇ “クセつよ”なイメージが強いサッカー古着も、選び方、合わせ方次第で大人っぽく着こなせる。今夏はサッカー古着をコーディネイトのスター選手として投入してみては? 佐藤ゆたか=写真 菊地 亮=取材・文
OCEANS編集部