【甲子園】智弁和歌山・辻主将が選手宣誓で特に思いを込めた“2つのフレーズ”
100点満点の選手宣誓
158秒にすべての思いを言葉にした。智弁和歌山高・辻旭陽主将(3年)が出場49校を代表して選手宣誓を行った。 【選手データ】イチロー プロフィール・通算成績 「100回ぐらい、ずっと練習していました。100点です。自分の伝えたいことを伝えることができた。人生初めて。これ以上、緊張することはないと思うので、ここから思い切ってプレーしたいです」 下記が全文である。 宣誓 僕たちには夢があります。この甲子園で、日本一になることです。 100 年前、この地に甲子園球場が誕生し、それ以来、全国の球児が、ここでプレーすることを夢見てきました。 多くの偉大なプレーヤーたちも、その思いは同じでした。青春のすべてをかけて、ユニフォームを真っ黒にしながら、ひたむきに白球を追いかける先輩たちの姿は、観る人たちを感動させ、いつしかここ甲子園は、聖地と呼ばれるようになりました。 あれからちょうど 100 年経った今、僕たちはここに立っています。 僕たちには夢があります。この先の 100 年も、ここ甲子園が聖地であり続けること。そして、僕たち球児の、憧れの地であり続けることです。 努力したとしても、報われるとは限らない。しかし、努力しなければ、報われることはない。 この言葉に励まされ、僕は、ここに立つことができました。そして、これからも、この言葉を胸に、最後まで戦い抜いていきます。 この聖地で、思う存分プレーできることに感謝を忘れず、僕たちのプレーが、多くの人々に、希望と勇気と感動を与えられることを願って、全力でプレーすることを誓います。 令和6年8月7日 選手代表 智弁学園和歌山高等学校 野球部主将 辻 旭陽
受け継がれるレジェンドの言葉
特に思いを込めたフレーズは2つ。まずは「青春のすべてをかけて」。主将・辻は言う。 「自分たちはすべて、野球に注ぎ込んできたところがある」 さらに、こだわったのは「努力したとしても、報われるとは限らない。しかし、努力しなければ、報われることはない」である。 「イチローさんから言われた言葉を、大事にしています」 智弁和歌山高は2020年12月、イチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)から指導を受けた。主将・辻の入学前であるが、球界のレジェンドによる「金言」は、先輩から後輩へと受け継がれている。 「100周年を迎えるという光栄な舞台で、しっかりと自分たちの夢を伝えることができて良かったです。『智辯』の文字をプレー以外のところでも見てもらえるというところで誇りを持って言えました」 智弁和歌山高の初戦(2回戦)は、大会第7日の第3試合(対霞ケ浦高)に予定されている。大きなプレッシャーを乗り越え、あとはあこがれの地・甲子園で実力を発揮するのみ。2021年以来の全国制覇への挑戦が始まる。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール