【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第17ステージ】シュタインハウザーがマリア・ローザの追撃を振り切りプロ初優勝!自分に言い聞かせた”勝利”の可能性
「最初からアタックした。一度は捕まってしまったけど、もう一度やってみることにした。うまくいった。路面は濡れていて滑りやすかった」とシュタインハウザー。勝利への意志はここ数日ほど強くはなかったと、この時の心境をフィニッシュ後に正直に答えるのだったが、結局のところポガチャルに捕えられるのではないかという不安もあった。
逃げる選手らは67.6km地点を頂点とする1級山岳パッソ・ロッレへ。距離19.8kmで勾配値が4.8%という緩慢な上りと27kmの下り坂をこなし、100.4km地点に短い3級山岳パッソ・ゴッベラに突入。メイン集団は、前日にモビスターチームが見せた追走を、この日はdsmフィルメニッヒ・ポストNLがやり始めた。
dsmフィルメニッヒ・ポストNLにしてみればポガチャルを勝たせようと全力を尽くしているわけではなく、チームエースのロマン・バルデ(フランス)でステージ勝利しようという作戦だ。前日のモビスターチームのような失敗はしたくない。逃げた選手を潰すことはできたものの、チームとしての実績を残せず、ポガチャルの5勝目をアシストした形に終わったからである。
この日のdsmフィルメニッヒ・ポストNL勢は何度もペースを上げて、パッソ・ゴッベラの中盤で逃げ集団の一部を捉えた。しかしゲブレイグザビエルとシュタインハウザーが最後まで抵抗を続けた。スタート直後から果敢に走り続けている2選手だが、逃げ切り勝利を目指す意欲が生まれた。
一方、UAEチームエミレーツは流石にポガチャルの6勝目を狙う気は全くなく、dsmフィルメニッヒ・ポストNLのアシスト陣がエネルギーを使い果たすと、メイン集団のペースは上がらず先頭の2人との差が広がり始めた。
この日のコースはパッソ・ブロコンを異なる方向から2回上る設定だ。1回目は北東からの登坂。全長15.4km・平均勾配5.6%と緩慢だ。シュタインハウザーはゲブレイグザビエルを制して1回目を通過。フィニッシュ地点を通過して下ると、次は南西から上る。1回目のパッソ・ブロコンは2級山岳に指定されたが、2度目は1級山岳(距離11.8km、平均6.6%、最大13%)と難易度が高くなる。
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