〈奥能登豪雨〉発生72時間、懸命捜索 不明7人に、輪島の31歳女性
能登半島を襲った豪雨から4日目の24日、輪島市の31歳女性が新たに安否不明となり、不明者は計7人となった。輪島、珠洲、能登の3市町では連絡のとれない人の捜索が続いた。土砂崩れなどの災害が発生した21日午前から、生存率が急激に低下するとされる「発生後72時間」が経過する中、消防、自衛隊の隊員と警察官らは懸命に土砂やがれきを除去した。 【写真】仮設住宅から災害廃棄物を運び出すボランティア=24日午後0時20分、輪島市宅田町 輪島市では、3人が安否不明となっている久手川(ふてがわ)町の塚田川周辺で捜索が行われた。午前6時に消防や自衛隊員、警察官ら約520人が集まり、大小さまざまな重機を使うなどして家の残骸や流木を撤去して不明者の手掛かりを探した。 現地では、輪島中3年の喜三翼音(きそはのん)さん(14)が住宅ごと押し流されたとみられており、祖母悦子さん(64)は「昔からかわいい子だった。早く見つかってほしい」と涙ながらに早期救出を願った。 翼音さんの同級生も駆け付け、男子生徒は「翼音さんは明るい性格で、元気な姿でまた学校に来てほしい」と語った。 珠洲市大谷町では、安否が分からない貞廣一枝さん(79)の本格的な捜索が始まった。警察、消防、自衛隊が約200人態勢で、貞廣さん方周辺の土砂を人力で掘り起こした。家財道具も運び出され、家族が確認した。 能登町北河内では、行方不明となっている60代女性の捜索が続いた。北河内の集落に通じる道路には、大量の土砂が積み重なったままとなっており、警察や消防に自衛隊が加わり、積もった土砂を越えて捜索に向かった。 支援活動に当たる県の災害ボランティアが24日、輪島市に到着し、活動を始めた。 ●停電4市町3300戸 豪雨では輪島市と珠洲市で計7人が死亡、珠洲市と能登町で計2人が行方不明となっている。国土交通省によると、輪島市などを流れる町野川で2カ所の堤防決壊を確認した。被害の状況を調べている。 北陸電力送配電によると24日午前11時現在、豪雨による停電被害は奥能登4市町で計約3300戸となっている。内訳は輪島市で2200戸、珠洲市で810戸、能登町で270戸、穴水町で10戸。 日本郵便によると、輪島市、珠洲市、能登町、穴水町では、郵便物やゆうパックの配達に大幅な遅れが生じた。