「ホームランは僕の長所」巨人・岡本和真が7年連続の2ケタ本塁打
◆日本生命セ・パ交流戦 巨人6―5ソフトバンク(30日・東京ドーム) 巨人がソフトバンクに大逆転で2連勝。阿部慎之助監督(45)は初の交流戦でカード勝ち越し発進を決めた。5点を追う3回、新外国人のエリエ・ヘルナンデス外野手(29)の来日1号3ランで1点差とし、岡本和真内野手(27)の7年連続2ケタ本塁打となる10号2ランで一挙6点のビッグイニングを完成させた。2番手で4回完全投球の井上温大投手(23)が、2年ぶりの白星を手にした。貧打に泣いてきたが、21戦ぶりの5得点以上で貯金を3とし、首位・広島に1・5差に迫った。 【動画】4番・岡本が逆転2ラン 一振りで全てを吹き飛ばした。岡本和の笑顔がようやくはじけた。1点を追う3回1死二塁。1―1からの3球目、東浜の真ん中低め122キロカーブをすくい上げた。高々と舞い上がった打球は左翼席中段に着弾。3試合ぶりの今季10号2ランで試合をひっくり返した。1イニング6得点の仕上げの一発で、今季最大となる5点差を逆転。「みんながつないでくれたので、どうにかしたいという気持ちでいった。逆転できて良かったです」。ベンチに戻りチームメートから祝福されると、白い歯をのぞかせた。 試合前時点で5月の得点圏打率は0割5分6厘と低迷。直近2試合も7打数無安打と快音が響かず、好機での凡退も続いた。「打点にこだわりたい」と口にしてきており、苦しい時間だった。得点圏での安打は3日の阪神戦(東京D)の2回2死二塁で2ランを放って以来だっただけに、チームにも自身にとっても価値ある一撃。球団12人目の7年連続2ケタ本塁打のメモリアル弾にもなり、「ホームランは僕の長所でもあるのでいっぱい打てるように」と見据えた。 交流戦にはいいイメージが残っている。昨年の交流戦では18試合で打率3割8分3厘、8本塁打、19打点。圧巻の成績でMVPを獲得した。対戦経験の少ない投手との対決となり、苦戦する選手も多いが意に介さない。その秘けつの一つが事前準備だ。「いつも以上に、対戦する前にデータや映像を見ながらイメージする。あとは、先に打席に立った人に聞いたりしつつ、先発投手だったら1打席目からしっかり情報をつかむようにしています」。抜かりない研究が結果に結びつく。 来日初アーチを描いたヘルナンデスの躍動にも一役買っていた。21日には東京Dで1軍の試合前練習に初参加した新助っ人と身ぶり手ぶりを交えて、和やかにコミュニケーション。「日本語以外は話せない」と笑い飛ばすが、自らのバットを貸すなど日本野球に適応しようとするチームメートへのサポートを怠らなかった。そんな2人での初アベック弾で、大逆転劇を演出。主将の優しい配慮がチームの土壌をつくっている。 交流戦開幕前には「全部勝ち越せるように」と決意を語っていた中で、まず最初にパ首位のタカ狩りに成功した。得点力不足に苦しんできた打線において岡本和への期待は大きいだけに、阿部監督は「(きっかけに)ぜひしてほしい」と願った。主砲も「ピッチャーが頑張ってくれているので、打てるように頑張ります」と意気込んだ。頼れる4番が中心になって、高みへと押し上げる。(宮内 孝太) ◆記録メモ 岡本和(巨)が10号に到達。18年から7年連続の2ケタ本塁打となった。巨人で7年連続以上の2ケタ本塁打をマークしたのは別表の通り12人目になる。なお、2ケタ本塁打の連続年数記録は王貞治(巨)をはじめ、野村克也(南海)、清原和博(西、巨、オ)の21年連続。
報知新聞社