吉見町の小学校で「生命の授業」 町長もがん患者家族として検診の大切さ訴え
乳がんやがんの知識、検診の大切さを伝える「生命(いのち)の授業」が11月15日、吉見町立東第一小学校で(吉見町東野)で行われた。(熊谷経済新聞) 【写真】クイズ形式でがんを学ぶ「がんトリビア」で元気よく手をあげる児童ら 授業を行ったのは「乳がんの早期発見、早期治療につながる検診率向上」を目指して活動する「くまがやピンクリボンの会」。同授業は、「がんを正しく知る」「子どもたちに健康と命の大切さに気づいてもらう」ことを目的に、2014(平成26)年から熊谷市と周辺地域の小中学校を中心に生徒や保護者、教職員に向けて行っている。本年度は埼玉県内41校で行うという。吉見町で行うのは初めて。 当日は3~6年生120人と教員、保護者、宮崎善雄吉見町長と町議会議員、町役場職員など20人が参加。同会代表理事の栗原和江さんが「がんの基本的なお話」として、「ピンクリボンとは」「がんとは」「サバイバー差別について」「キャンサーギフトの話」などのテーマ別に授業を行った。クイズ形式でがんを学ぶ「がんトリビア」では「日本人のがん発症率は2人に1人」という正解に児童たちから驚きと戸惑いの声が上がり、「イプ」というがんの大きさと硬さが体験できる模型を触った児童は「石みたい」と話していた。 「がんについて、子どもたちが早い段階で知っておくのは勉強になる。保健指導と絡めて聞かせておきたいと、校内で開催してもらった」と同校の栗田智子校長。 宮崎町長は、15歳のときにがんで父親を亡くしたときの辛さや悲しみに触れながら「当時と今とでは医学の進歩状況が違うかもしれないが、それでもあの時、もっと早くに発見・治療していれば、父が今でも元気でいてくれたのではと思う。皆さんには辛い思いをしてほしくない。お父さん、お母さんにずっと元気でいてもらうため、健康診断に行ってねと話してほしい」と検診の大切さを訴えた。 同会スタッフの笠原洋子さんは、小児がんで7歳の娘を亡くした会員の話を代読。終了後は保護者と関係者を対象に「エコー&マンモグラフィー画像で見る乳がんの違い」「病院の探し方」「視触診モデルの体感」など「プチがんセミナー」を行った。栗原代表理事は「児童は真っ直ぐな目を向け真剣に授業を受け、がんクイズでは楽しく盛り上がることができた。家庭で今日の話を振り返ってもらえたら」と話す。
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