体操の岡慎之助、フェンシング飯村一輝ら表彰 上月財団、支援事業80人も認定
トップアスリートや次代を担うホープを支援する上月財団(上月景正理事長)は9月10日、東京都内のホテルで、今年度の「上月スポーツ支援事業」対象選手80人の認定式と、国際大会で好成績を収めた支援対象選手に授与される「上月スポーツ賞」(パリ五輪金メダリストは「上月スポーツ大賞」)の表彰式を行った。東尾公彦専務理事は、海外五輪最多の金20を含む45メダルを獲得した日本選手団のうち、58選手、金5を含む21メダルが支援事業対象者だったと紹介。「2026年コルティナダンペッツォ冬季五輪(イタリア)、28年ロサンゼルス夏季五輪へ向けた成長を期待する」とあいさつした。 スポーツ支援事業は23年目。これまで延べ1490人が対象となり、そのうち延べ357人が五輪に出場、93人のメダリストを生んでいるという。日本のスポーツ界への貢献は絶大だ。パリ五輪の体操男子で団体総合、個人総合、種目別鉄棒の3冠を達成した岡慎之助選手は「次の五輪でも活躍できるように、これからも日々を懸命に過ごす」と謝意。フェンシングの男子フルーレ団体を初制覇したメンバーの飯村一輝選手は「日本からの応援、支援を力に変え、やるべきことを発揮できた」と述べた。 支援は、昨年度にそれまでの年間60万円から、小・中学生は年間90万円、高校生・大学生は年間120万円に増額されている。今年度は、1月の能登半島地震で被災した選手への支援にも取り組んでいる。支援対象者を代表して、パリが初めての五輪だった競泳の平井瑞希選手があいさつし「支援を活用し疲労回復の取り組みを強化した。今後はレベルを高め、ロサンゼルスで金メダルを取れるよう頑張る」と話した。 受賞者インタビューのコーナーでは、パリ五輪メダリストが改めて感慨を吐露。飛び込みで日本勢初メダリストとなった玉井陸斗選手(男子高飛び込み)は「昨年腰痛で練習ができなかった時期に競技生活を振り返ったことがメダルにつながった」と打ち明けた。大会中に左手首を痛めた卓球女子の早田ひな選手は、治療などで世話になったスタッフの存在に触れ「自分のためというより人のために頑張った五輪だった」と振り返った。父の斉藤仁さん(故人)との親子金メダルの夢を果たせなかった柔道男子の斉藤立選手は「4年後には必ず、あれ(パリでの敗戦)があったから良かったと思えるようにする」と雪辱を誓った。 上月スポーツ賞の受賞者は次の通り。 水泳 玉井陸斗(飛び込み)、松下知之(競泳)▽体操 岡慎之助、杉野正尭▽柔道 新井万央 ウルフ・アロン、斉藤立、田中龍雅、中野寛太、村尾三四郎▽スケート 坂本花織、島田麻央(以上フィギュア)、高木美帆(スピード)▽卓球 早田ひな、張本美和、平野美宇▽フェンシング 東晟良、飯村一輝、上野優佳、山田優▽ゴルフ 常住美結▽スポーツクライミング 安楽宙斗