【レポート】2024年ル・マン24時間耐久はサバイバルレースに!転倒のYOSHIMURA SERT MOTULが制し、綿貫舞空もSSTで3位獲得【EWC2024】
夜間は順調な上位勢と追い上げる転倒チーム。しかし、首位のYART-YAMAHAにピンチが
5時間が経過すると上記のHONDA VILTAIS RACINGのほかにTEAM 33 LOUIT APRIL MOTOのリタイア。5時間54分には1コーナーで転倒があり、このレース唯一のセーフティカーが導入され、20分強の先導走行が続いた。現地時間は21時台で、この頃には暗くなり気温もどんどん下がっていき最も寒い時間で3度になる。 そしてレース3分の1となる8時間にはトップ3台は変わらないがYOSHIMURA SERT MOTULが4番手まで、KM 99は6番手まで回復させていた。8時間ごとに上位10チームにポイントが付与されるため、貴重な点数をゲットしたことになる。一方、F.C.C. TSR HONDA Franceは35番手のためこの時点ではノーポイントだ。 レース折り返しの12時間目には計7台がリタイア。レース3分の2の16時間には12台に増えた。その直前の15時間48分頃にYART - YAMAHAのカレル・ハニカが12コーナーでクラッシュ。後続に4周差をつけてレースをリードしていたために痛恨のミスとなった。 YOSHIMURA SERT MOTULは13時間を前に表彰台圏内の3番手に入り、16時間には上述したYART - YAMAHAの転倒もありトップに躍り出ていた。2番手はYART - YAMAHA、3番手はBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM、4番手はKAWASAKI WEBIKE TRICKSTARだ。 また、YART - YAMAHAとしてはカレル・ハニカが先の転倒で肩を怪我してしまい再びの走行はできなかった。また、ニッコロ・カネパも先日参戦したデイトナ200での転倒で身体は万全な状態ではなかった。そんななか、残りの8時間をニッコロ・カネパとマービン・フリッツの2人で走るという過酷な状況が待ち受けており、4番手から走行を続けた。 さらに19時間半頃にはF.C.C. TSR HONDA Franceが10番手までポジションアップしてなんとかポイント獲得圏内まで追い上げた。しかし、3度目のトラブルが起きる。22時30分頃にチェーンが切れて、それがエンジンブロックを叩いてダメージを与えてしまい、走行不可能に。残り1時間半で、昨年ウイナーがリタイアすることになった。 その後は大きなトラブルはなかったが、トップのYOSHIMURA SERT MOTULと2番手のBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは2周も差がなく油断ができない状況。マージンが少なく、ライダーも最後まで手が抜けなかったようだが、序盤に転倒もあったYOSHIMURA SERT MOTULが857周を走りきり優勝を飾った。スズキとしては15勝目となり、ホンダとカワサキの14勝から一歩リードさせた。 2位はトラブルはなかったが優勝に届くペースではしれなかった1周差のBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM、3位は終盤に辛い展開だった5周差のYART - YAMAHAがなんとか死守して、4位は13周差のKAWASAKI WEBIKE TRICKSTARが入った。KM 99は13番手、HONDA VILTAIS RACINGやF.C.C. TSR HONDA Franceは上記の通りリタイアした。 チャンピオンシップポイントではYOSHIMURA SERT MOTULが61点、YART - YAMAHAが52点、BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMが51点、KAWASAKI WEBIKE TRICKSTARが39点、F.C.C. TSR HONDA Franceが5点を稼いだ。