宇宙ビジネス関連の投資信託が軒並み好成績! 過去1年の騰落率44%の商品も
【マネーの教科書】#74 2025年は宇宙ビジネスがますます拡大しそうだ。宇宙開発はかつて国が主導で進め、民間企業はサポートする形で協力してきたが、徐々に民間へ移行しつつある。その象徴といえるのはイーロン・マスク氏が率いるスペースXが20年に民間初の有人宇宙飛行に成功したことだ。今後もこの傾向は進むと考えられることから、多くの企業が宇宙ビジネスに参入している。それを受けて投資の分野でも宇宙関連が注目されている。 【写真】民間人初の宇宙飛行士・秋山豊寛さん 原発事故の難を逃れ2度目の「仙人暮らし」 ■25年もキーワードに 実際に宇宙ビジネスに投資する投資信託の運用成績は急上昇中だ。たとえば「SMT MIRAIndex宇宙」の騰落率は、過去1年で約44%、3年では約122%だ(11月末)。全世界株式に連動する投資信託の騰落率が過去1年で約29%、3年で約62%であることを考えても、はるかに好成績といえる。 同投資信託の投資先を国別に見ると、米国が約82%とトップ。その後に英国約6%、日本約5%と続く。個別銘柄の組み入れ比率トップ10を見ても9社を米国企業が占め、米国企業以外では三菱重工業が唯一4位に食い込んでいるだけだ。やはり宇宙ビジネスでは、米国が強いことがわかる。ネット証券を利用すれば米国株への投資も容易だが、宇宙分野となると銘柄選定は難しい。そういう分野こそ、運用を任せられる投資信託の利用価値があるともいえる。 「eMAXIS Neo宇宙開発」も騰落率は1年で約47%、3年で約100%と好成績だ。投資地域は米国約94%、イスラエル約3%とほぼ米国企業に絞り込まれているのが特徴だ。 運用資産額で他を圧倒しているのが「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」だ。前述の投資信託がそれぞれ30億円、89億円であるのに対し、412億円とケタ違いだ(12月16日)。騰落率は過去1年で約47%、3年で62%(11月末)となっている。 東京海上アセットマネジメントのデータによると、米大統領選後の1年間の航空宇宙・防衛株式のリターンは、高い傾向にあるという。過去7回(1996~2020年)の大統領選を検証したところ、平均リターンは世界株式を3.3%超過していた。25年も宇宙ビジネスが期待できるかもしれない。 (ジャーナリスト・向山勇)