清宮から5連続三振の横浜DeNA5位桜井が「消える球」で清宮キラー宣言
U-18W杯では、清宮とロッテに1位指名された履正社の安田尚憲と3人で素振りをする機会が多かった。そのとき、自然と、あの5打席連続三振の話になった。 「あのボールは打てるわけないよ。(バットを)振りはじめたら『ない』だったんだから」 清宮は「ボールが消えた」と告白したという。 その清宮の言葉は桜井に見えない力を与えた。 「その話を聞いて自信になりました。正直、あれ(5打席連続三振)は、まぐれだと思って自分を信じていなかったんです。センバツでは安田も三振(3打席連続)に打ち取りましたし、あらためてスライダーが通用するんだと実感したんです」 桜井のスライダーは横と縦の2種類があるが、もちろん、プロで生きていくための武器になる。 吉田孝司編成部長も、「左投手は、まずは馬力。それにカーブ、スライダーがあるかどうかが重要。桜井は、その要素をクリアしている」と絶賛していた。 交流戦、或いは、日本シリーズの舞台で、もし清宮と対戦する機会があるのならば、「消えるボール」で勝負するつもりだ。 「僕のウイニングショットですからね」 しかし、本音を言えば、まだプロバージョンとして使えるかどうか半信半疑である。 「僕のスライダーがプロで通用するか、どうか、まだまだわかりません。最初は通じないと思うんです。1年、2年と、しっかりと磨き通用するようにしたいですね。もし通用することになれば、1軍に大きく近づくという期待もあります」 さらにプロの課題を自らの言葉で表現してみせる。 「スライダー以外には、カーブ、チェンジアップを使ってますが、まだまだ。勝負するとこではストレートとスライダーに頼っています。楽天の松井裕樹さんは、今はチェンジアップで三振を奪っていますよね。今永さんは、ストレートで三振を取れます。僕は、まだまだ未熟。幅を広げて三振を取れるようにならなくては」 桜井は、理想の投手に2年目の左腕、今永昇太の名前を挙げたが、自己分析能力を含めたクレバーさは、その若きエースに重なるところがある。