男子テニスで超異例 47歳で日本代表候補に復帰「誰もが錦織圭にはなれない」…鉄人・松井俊英の“生き方”
ダブルスで長年日本のトップに君臨…15年ぶり強化選手に「びっくり」
男子プロテニスの松井俊英(フリー)が今季、47歳となるシーズンで日本協会の強化選手に異例の復帰を果たす。ダブルスで長年、日本のトップクラスに君臨し続け、現在も世界ランキングは日本人最高の146位。「時代が僕に追いついてきた」という松井が語る「ダブルスが日本人に向く理由」とは。(前後編の前編) ◇ ◇ ◇ 松井は2006年のドーハアジア大会、2010年の広州アジア大会で日本代表入り。国別対抗戦のデビスカップにも2006年、2010年と2度出場している。主催者側がランキングを元に出場者を決めるATPカップ日本代表には、2020年、2021年に選出されているが、ナショナルチームが決める代表候補となるのは、実に15年ぶりだ。ニュースで知ったという松井は「やっと時代が僕に追いついてきたんですかね」と笑う。 ダブルスの日本ランキングは現在2位だ。ATP世界ランキングも昨年12月23日付で日本人最高の146位。昨年5月27日付では、自己最高の121位を記録した。 「もう30代後半、40代だしと見られていたんでしょうけど、最近はお声も全くかからなかった。でも新しいコーチが入ってくるようになって、まだ行けると一石を投じてくれた。今さらという気持ちもあるけれど、やっと見てくれたと。びっくりしましたけどね」。日本代表候補となれば、東京のナショナルトレーニングセンターを使えるなどの利点がある。年齢に負けない進化を、さらに模索することも可能になる。 今も世界で戦うための鍛錬は怠らない。サービスは時速200キロに達するという攻撃的なスタイルも譲るつもりはない。それでも、歳を重ねてトップを張り続けられるのは、ダブルスという種目の特性も大きいという。 「コートが半面になるし、サービスも4回に1回打てばいい。シングルスでは拾えないボールに追いつくこともできますし」。だからこそ、自身を追いかける選手、日本からダブルスの世界ランキングに名を連ねる選手がもっと出てきていいはずだと考えている。