高木豊がセ・リーグ6球団の前半戦を総括 混戦から抜け出しそうな上位チーム、下位の巻き返しの可能性は?
【阪神】 ピッチャーが頑張っていますが、相変わらず村上頌樹が勝てていませんし、伊藤将司も今ひとつ。もう少しバランスが崩れると、ピッチャー陣全体がガタガタになりそうな感じもします。 懸念点は打線のつながりの悪さでしたが、オールスター前の(7月21日の)広島戦では先発全員安打・全員打点を記録しました。これが後半戦に向けて、いいきっかけになればいいですね。選手たちが額面通りの実力を発揮できるようになって、打線を固定できたら、優勝を狙える一番手は阪神です。 森下翔太がよくなければ、前川右京や野口恭佑をしばらく3番で固定して使ってみてもいいと思います。核となるのはやっぱり、1番の近本光司、2番の中野拓夢、4番の大山悠輔、5番の佐藤輝明。それぞれがもう少し調子を上げたいところです。最近は佐藤を4番、大山を5番にすることもありますが、やっぱりベストは大山、佐藤の並び。ランナーがたまって佐藤が仕事をするようになると、阪神は勝てますよ。
【中日】 ポジティブな要素は、勝ちパターンに入った時の強さ。中継ぎが充実していて、抑えのライデル・マルティネスが抜群に安定しています。先発陣では涌井秀章の離脱が痛い。柳裕也も不振でファームにいますし手薄になってきています。しかし、何より、髙橋宏斗が抜群にすばらしい。今の彼から点を取るのは至難の業でしょうね。 打つほうは出塁率が悪いですね。特に1、2番に出塁率が悪い選手を入れると打線はつらくなりますよ。岡林勇希(打率.189、出塁率.231)を使うのあれば8番でいいですし、2番に田中幹也(打率.223、出塁率.266)を入れることもありますが、中日の場合は打順をイメージで決めずに、打てる順から並べてもいい。上位にオルランド・カリステ、細川成也、福永裕基らを並べて点を取る、といったことも試してほしいなと。 岡林はイメージとしては1番かもしれませんが、数字を見たら1番を任せるのは到底無理です。それと、中日打線を調べてみると、1番に入った時の打率がみんな悪いんです。1番バッターをどうするかは大きな課題でしょうね。1番・カリステ、2番・板山祐太郎、3番・細川、4番・福永、5番・高橋周平といった打順にしてみてもいいんじゃないかと思うんですが......。出塁率の問題を解決しないと、上にいる4チームに離されていくでしょう。