高木豊がセ・リーグ6球団の前半戦を総括 混戦から抜け出しそうな上位チーム、下位の巻き返しの可能性は?
【広島】 先発投手陣が安定していることはポジティブな要素ですが、打てませんね。ただ、ジェイク・シャイナーが(7月17日の)DeNA戦で決勝の3ランを打ち、やっと結果を出しましたね。それも、難攻不落の東克樹を一発で沈めた価値ある本塁打でした。あれこそ、チームが待ち望んでいた勝ち方のひとつだったと思います。 ずっと長打力不足で悩んでいたところで、助っ人のシャイナーがやっと打ってくれた。その試合以外はあまり打てていませんが、後半戦でも本塁打が出るようになれば、打線が活性化する可能性もあると思います。それと、混戦を抜け出すためには坂倉将吾もキーマンになると思います。坂倉がマスクをかぶった時の勝率を上げたり、バッティングを復調させるための起用も大事です。 今の打線でやってくれそうなのは小園海斗しかいないんです。秋山翔吾や野間峻祥もいい働きをする時がありますが、やっぱり中軸が機能しないと。なので、坂倉が状態を上げて中軸に加わると小園も楽になるはずです。 ピッチャーのキーマンは、不調で選手登録を抹消されていた中継ぎの島内颯太郎。しっかりとした形で一軍に戻ってきてくれれば、チームにとって心強いでしょうね。
【DeNA】 ほかのチームと比べた時の強みは、打てるということ。今年は足も使っていますし、バランスがとれた攻撃ができています。また、外野手の層が厚く、筒香嘉智がケガで離脱している影響をあまり感じさせません。内野手にしてもそう。タイラー・オースティンを休ませる余裕がありますし、野手陣は非常にいい状態です。 心配なのはリリーフ陣。伊勢大夢がおらず、上茶谷大河が故障。山﨑康晃は投げてみなければわからない感じで、松本凌人は球に力がありますがちょっと経験が浅い。一方で先発陣は、石田裕太郎が出てきて、アンドレ・ジャクソンとアンソニー・ケイが安定していますし、東克樹は期待通りの活躍を見せています。そう考えると、課題はやっぱりリリーフ陣。ここがそろえば優勝も狙えるでしょう。 これから夏場に向けて一番大切なのは、バッティングなんです。ピッチャーは、疲労感からどうしても打たれてしまうので、バッティングのいいチームが抜け出していくんじゃないかと。DeNAは2、3点取られてもすぐに取り返せる打線の力がありますし、後半戦はチャンスがあると見ています。