西山太吉氏からの公電入手否定 沖縄密約「第三者から」
衆院が故横路孝弘元議長に生前、インタビューした口述記録の概要が25日、判明した。1972年の沖縄返還に伴う日米密約を毎日新聞で報じた故西山太吉氏が逮捕された「西山事件」を巡り、外務省の極秘公電を衆院予算委員会で暴露したいきさつを説明。公電のコピーは、西山氏以外の第三者が「使っていいよ」と横路氏の元に持ち込んだと語った。 口述記録によると、横路氏は沖縄返還に関する米側負担の日本肩代わり疑惑を71年に報じた毎日新聞報道を受け、西山氏と面会。聞き取った内容を基に国会質問に臨んだ。この際は「西山氏から、記事の根拠は何か聞いていない」と強調した。 公電を入手した経緯に関し、72年3月に「質問の直前、電話がかかってきて、ぽっと渡された」と証言。相手が誰かは「ノーコメント。私もよく知っている友達です」とした。横路氏はこれまでも、コピーは西山氏から人を介して提供されたと説明している。 横路氏は同3月27日の予算委で、公電のコピーを手に政府を追及。翌28日にはコピーを公表し、政府は公電の存在を認めた。