リニューアルでビジュアル一新、度数4%も発売…!あの「ストゼロ」がいつの間にか”大変化”していた、その背景は?
すでにキリンは2001年にアルコール度数7%の氷結を発売しており、さらにいえば、日本初の缶チューハイとして知られ、1984年からロングセラーを続ける宝酒造の「タカラcanチューハイ」は発売当初からアルコール度数は8%だったため、特にそのアルコール度数の高さは注目されていなかった。 また、当のサントリーも2003年に発売されたカロリーオフのカクテル「カロリ。」(販売終了済み)に力を入れていた気もする。今でこそ誰もが知る酒のストゼロも、当時はまだまだ有名ではなかったのだ。
そこから月日は経ち、リーマンショック後の2009年には、果実を皮ごと液体窒素で瞬間凍結・粉砕してウォッカに浸す独自の「-196℃製法」を生かした「-196℃ ストロングゼロ」の発売を開始。 そして、プロレスラーの蝶野正洋と石原さとみが共演したCMも放送される。改めて当時のパッケージを見ると、「STRONG ZERO ストロングゼロ」と大きく書かれ、「-196℃」はロゴのように小さく刻印されており、完全に今と真逆である。
このマイナーチェンジでアルコール度数も8%になったが、当時は氷結の一強時代であり、手っ取り早く酔うにはストゼロよりも氷結のほうが支持されていたと言えるだろう。みんなダイヤカット缶をグチャっと潰したかったのではないだろうか。 また、CMが放送されるようになったとはいえ、当時、世間で人気を集めていたのは2009年発売のほろよいだった。サントリーは前出のカロリ。と同商品で「女性でも気軽に缶チューハイを手に取れる」という時代の雰囲気を作り出した。
■「甘くない」のとフレーバーの種類が人気の理由 そして、話を戻すが、2014年末にストゼロがアルコール度数を9%に引き上げるや否や、一気に若者の間で広がっていく。その後はご存じの通り、各社も追随して8~9%の類似商品、つまりはストロング系が市場に溢れかえることとなる。 ストゼロが人気を得た理由はいろいろ挙げられるが、メディアでもよく言われているのが、「甘くない」のとフレーバーの種類が豊富であるということ。