リニューアルでビジュアル一新、度数4%も発売…!あの「ストゼロ」がいつの間にか”大変化”していた、その背景は?
まるで、「これはストゼロではありませんよ」と言わんばかりに……。 ■アルコール度数4%が、なぜ(酒飲み的に)衝撃だったか そして、冒頭でも説明したように10月、ついに-196無糖から4%のレモンサワーが登場したのだ。 まあ、厳密にいえば、1月時点で4%の-196無糖〈オレンジ&レモン〉はあったが、商品名に「4%」の文字はなかったし、味という意味でもより王道な商品と言えるだろう。 9%の商品だけでなく、6%、そして4%まで。ラインナップが、明らかに広くなってきている。
アルコール度数4%のレモンサワーはすでに麒麟の「氷結」にもあり、コカ・コーラの「檸檬堂」も3%と5%があるため、度数自体は革新的なことではない。しかし、もともとストゼロだった-196から、アルコール度数が4%しかない商品が出たということが衝撃的なのである。 なお、 4%以下の缶チューハイといえば、同じくサントリーの「ほろよい」というアルコール度数3%のブランドがあるが、その名前の通り、「お酒が弱めな人」向けと定義されてきたと考えられるだろう。
そこに、あのストゼロが寄せてきた……と言うとサントリーから「そんなことは発表していません」とのお叱りの声が飛んできそうだが、実態としては「寄せてきている」と言えそうだ。 思えば今年は、各社がアルコールに対する姿勢を、大きく変えた1年だった。1月26日には、アサヒビール(以下、アサヒ)が今後発売する缶チューハイの新商品のアルコール度数を8%未満に抑える方針を、2月9日にはサッポロビール(以下、サッポロ)もストロング系の新商品を発売しない方針を固めたことが報じられたが、実は同時期にサントリーもストゼロの残滓を消し去ろうとしていたのだろうか。
「ストロング系の王者」あるいは「飲む福祉」として、若者を酒浸りにしたストゼロにいったいなにがあったのだろうか? 前置きがやや長くなったが、本稿ではストゼロのこれまでとこれからを考えていきたい。 ■ストゼロの歴史は約20年 -196もといストゼロの歴史は長い。発売されたのは20年近く前の2005年。当初はストゼロではなく、℃が付いて「-196℃(イチキューロク)」という名前だった(ややこしい)。低温で凍結・粉砕した果実を使用したことを売りにしており、アルコール度数は7%だった。