ホストクラブの法令順守は? 「頂き女子りりちゃん」から3千万円 多額の“売掛金”などが問題に
去年、全国的に問題となった「悪質ホストクラブ」。多額のツケ“売掛金”による被害者が後を絶たず、こうした状況を背景にした事件も起きています。その後、変化はあったのでしょうか。 【動画】ホストクラブで多額な“売掛金”が問題に 高級ブランデーに650万円払った女性も 名古屋地裁で7日に執行猶予付きの有罪判決を言い渡されたのは、元ホストの田中裕志被告(27)です。 起訴状などによりますと、田中被告は、東京都内のホストクラブで勤務していた2021年から2022年にかけて、犯罪でだまし取った金と知りながら、客の女から飲食代として現金3850万円を受け取った罪に問われています。
「頂き女子りりちゃん」から3850万円
多額の現金を田中被告へ”貢いでいた”とされる客の女は、YouTubeなどで「頂き女子りりちゃん」を名乗っていた渡辺真衣被告(26)です。 起訴状などによりますと、渡辺被告はマッチングアプリなどで知り合った男性3人の好意につけ込み、計1億5000万円以上をだまし取ったなどの罪に問われています。 名古屋高裁は懲役8年6カ月などの判決を言い渡し、渡辺被告側は上告しています。 7日の田中被告の判決で、名古屋地裁は、渡辺被告から受け取った3850万円の現金について「自己の売上金額を上げてホストクラブ内の立場を向上させるため」だったなどと指摘しました。 判決を言い渡された田中被告は、記者の問いかけに反応することなく、裁判所を後にしました。
「売掛金」と呼ばれる多額の“ツケ”が問題に
「飲食代」を名目にした多額のホストへの支払い。 こうした請求を発端に、客の女性に「売掛金」と呼ばれる多額の”ツケ”を負わせ、売春などをさせる悪質なホストクラブの存在が今回の事件を背景に表面化し、社会問題となっています。 名古屋の繁華街にも、数多くのホストクラブが軒を連ねています。 客をもてなすサービスではあるものの、一部の悪質なホストクラブは、客の支払い能力を超える多額の請求で、客を苦しめる形にもなりかねない状況となっています。
ホストクラブを利用する女性は
ホストクラブをよく利用していたという女性に話を聞くと…。 「『可愛いね』とかチヤホヤしてくれる。その環境が私にはすごく刺激的で楽しいなって」(20代女性) 指名したホストを応援する思いで、平均で月に100万円ほど使っていたといいます。 「ホストクラブ高いよなーって。担当のホストとしゃべるのに、私はこんなにお金を払って。『何か面白いこと言えよ』とあおりの部分で。価値があるし、好きだった。好きだから会いたい」(20代女性) 高額なブランデーを注文するようお願いされ、応じたこともあったといいます。 「650万円で『リシャール(酒)をやろうよ』って。『うんわかった』と二つ返事で出せるような金額じゃなくて、自分の中でもすごく葛藤があったんですけど、『やってやろう』と頑張りました」(20代女性) 飲食代金を支払えず、この女性もホストクラブへのツケ「売掛」の経験があったと言います。 「手持ちがなくても、高いシャンパンとかブランデーとかおろしていた。私も何回かありました」