【新人記者カメ日記・トレセン縦〝桜〟無尽】約1年ぶりにターフに戻ってくる女王ブレイディヴェーグ
前回のコラムでは久しぶりに美浦に戻ってきた逸材、ドゥラドーレスを取り上げました。ですが、宮田厩舎にはもう一頭、久々にターフに帰ってくる看板馬がいます。それは、昨年のエリザベス女王杯馬ブレイディヴェーグ(牝4)です。 今年は3月のドバイ遠征を予定して調整を進めていましたが、飛節後腫のため大事をとって回避。その後は9月の新潟記念を目指していましたが、トモ(後肢)の筋肉痛を発症して出走を取りやめました。放牧で再調整し、9月19日に美浦トレセンに帰厩。14日の府中牝馬S(東京、GⅡ、芝1800メートル)で復帰する予定です。 初のGⅠ馬取材で前回以上に硬くなっていましたが、馬房をのぞくと私の緊張を包み込むような柔和な表情のブレイディヴェーグがいました。気になる状態面については「まだ本調子ではないけど、ひと追いごとに良化はしてきています」と宮田敬介調教師。馬体重は現時点で15キロほど増えているそうで、「動きにくさは感じるけど、調教ではさすがGⅠ馬といったフットワークを見せている」とトレーナーは改めてポテンシャルの高さを感じています。 せっかくの機会なので、ブレイディを担当している土岐拓也助手も直撃してきました。「GⅠを勝った昨年に比べると成長している部分はある」としながらも、「中間は脚元に関して特に問題なくこられているが、約1年ぶりですからね…。改めて息も作りつつですし」と少し慎重。それでもローズS以来となるマスクトディーヴァとの再戦には「斤量はGⅠ馬のぶん背負わされますが、また戦えるのは楽しみです。リバティアイランドは先々かな?」と笑顔でした。 最後に改めて指揮官に意気込みを聞くと「復帰戦の舞台(東京芝1800メートル)は厩舎としても得意の舞台だし、彼女自身も1度勝っているのでいいと思う」とうなずき、「立ち上げも順調とはいえない状況だったので、まずは無事にレースまでいってくれれば。ゼッケンの(GⅠ勝ちの)星も増やしたいですね」と力を込めていました。ドゥラドーレス同様、まずは無事にレースを迎えられることを心から祈っています。宮田厩舎の皆さま、2週にわたって取材にご協力いただいてありがとうございました。(東京サンケイスポーツ・吉田桜至郎)