吉本“大宮セブン”が映画化、物語の中心のタモンズはどう観た?「うわっ、これ本気の映画やぞ!」
「大宮ラクーンよしもと劇場」で活動する芸人集団「大宮セブン」の青春群像を描いた映画『くすぶりの狂騒曲』が、12月13日の公開前から話題となっている。物語の中心は今年の『THE SECOND』でファイナリストとなったタモンズ。今回、「ENTAME next」では大波康平(42)と安部浩章(42)の2人を直撃し、作品に懸ける想いや波乱に満ちたキャリアを語ってもらった。(前・中・後編の前編) 【写真】映画版の大宮セブン、とタモンズの撮り下ろしカット ──『くすぶりの狂騒曲』公開が迫ってきました。自分たちのことが映画になると最初に聞いたとき、どのように感じましたか? 安部 単純にびっくりしましたよね。大宮セブンの2代目支配人が、この映画のプロデューサーをやっているんです。その方から「映画を作るのが夢だった。ぜひ大宮セブンをテーマにして撮りたい」と聞いたときは「正気かよ?」って(笑)。 大波 さらに言われたのは、「マヂカルラブリーとかすゑひろがりずを主人公にしてしまうと、単なるサクセスストーリーになってしまう」と。 ──それじゃダメなんですか? 安部 ダメらしいんです。そうじゃなくて、芸人たちが必死であがく姿を描きたいということだったんですよね。 大波 まぁたしかに現実の世界を見渡したら、ドリームを掴める人なんてほんの一握り。ほとんどはいろんなことを諦めながら生きているわけじゃないですか。そういう人たちに対して応援歌的なメッセージを伝えたいので、タモンズ主演でいきたい。そんなふうに言うわけですよ。冷静に考えれば、すごく失礼なオファーだと思いますけど(苦笑)。 安部 とはいうものの、吉本が作る映画だからビデオレター的なゆるい内容だと僕らは高を括っていたんです。ところが完成した作品を観たら、「うわっ、これ本気の映画やぞ!」とビビりまして。 大波 だったら、もっとちゃんと最初にオファーしてほしかったよな。雑談の延長線上で「映画やりたいねん」とか言われたから、こっちも深いこと考えずに「あざす!」とか返事してしまった(笑)。 ──今回の『くすぶりの狂騒曲』は原作があるわけではないですよね。となると、脚本執筆にあたって綿密な取材も行ったということになりますか。 大波 ヒアリング作業は相当やりましたね。吉本の東京本社に広い中庭があるんですけど、そこに僕らと監督さんと脚本家の方の4人で座りながら過去のことを話すんです。 安部 結局、僕らは東京の本流から外された人間じゃないですか。だから、「“お前ら、明日から大宮に行け”って島流しにあったときは、どう感じた?」とか監督さんからも細かく聞かれましたね。あとは「すゑひろがりずがYouTubeでバーンとバズったときは、どういう気持ちだった?」とか「コロナでお客さんが入れられなかったときは?」とか……。基本的に嫌なことばかりインタビューされるんですよ(笑)。でも、結果的にはそれをいい感じで脚本に仕上げてもらった感じです。