中日から1位指名を受け、ポーズをとる関大・金丸（撮影・藤尾明華）

　夢斗＆宏斗だ！　関大・金丸夢斗投手（4年＝神港橘）は4球団競合の末、中日が交渉権を獲得した。 　今季12勝を挙げた中日の高橋宏斗投手（22）は同学年。即戦力として期待される左腕は同世代の右腕とタッグを組み、左右のエースとしてチームを引っ張る近未来を思い描いた。さらにプロ1年目の目標を2桁勝利に設定した。 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　「交渉権獲得」のアナウンスが流れると、金丸は小さく息を吐いた。「ほっとした気持ちが強かったです。本当にドキドキしていました」。まぶしく輝く「金の卵」はフレッシュな笑顔を浮かべた。 　最速154キロの本格左腕。切れ味鋭い直球に、スプリット、スライダーなど多彩な変化球を操る。高い制球力と奪三振能力も武器。1年目の目標はズバリ2桁勝利だ。「即戦力として取ってもらっている。もちろん新人王取れたらいいんですけど、まずは勝てる投手というところで2桁勝利を目指して頑張ります」と力を込めた。 　大学で数々の実績を積み、同学年右腕と同じ舞台に立った。今季12勝を挙げた、高橋宏は同学年。高卒1位で入団した右腕は高校時代の金丸にとって「手の届くところではなかった」。地元の兵庫・神港橘1年時は身長160センチに満たないほどで、体重も50キロ程度。高3夏は独自大会で8強に進出したが、決して目立つ存在ではなかった。それでもコロナ禍に走り込みや筋トレで鍛えた基礎は大学で大きく花開いた。 　数々の実績をひっさげプロの世界に挑む。関西学生リーグでは昨秋から72イニング連続自責点ゼロを記録。通算20勝3敗と無双した。今年3月には侍ジャパンのトップチームに選出された。投手王国に割って入る準備はできている。高橋宏をはじめ、大野ら好投手の先輩もそろう。「いろいろ教わりたい。そのあと、ライバルとしてエースになれるようにっていう目標はあります」と気合十分だ。 　父雄一さん（48）、母淳子さん（47）に「夢をかなえ、北斗七星のように輝く」願いを込められ「夢斗」と名付けられた。井上監督も「素晴らしい名前。一緒に夢をかなえましょう、待っています」と熱烈歓迎だ。「ドラゴンズの力になれるよう、すべてを尽くそうと思っています」。名古屋で光り輝く1番星になる。【村松万里子】 　▽中日松永スカウト部長　1位（で金丸）が引けたのが一番。それプラス左即戦力（2位吉田）をもう1枚欲しいというのもあったんで、2つ取れたのがよかった。（即戦力）捕手も確保できた。高校生の投手も、将来の左右。5、6位も思い通りにいけた。120点じゃないですか。中村君とかも育成で取れたのでバランス良く取れたと思う。