台風10号影響長く 離れた所も大規模災害に繋がる大雨に 土砂災害・氾濫・浸水警戒
非常に激しい雨・猛烈な雨とは?
「非常に激しい雨」は、1時間雨量が50ミリ以上~80ミリ未満の雨を表しています。これは、滝のように降る雨で、ゴーゴーと降り続くイメージです。また、傘は全く役にたたないレベルで、木造住宅の屋内では、寝ている人の半数くらいが雨に気づくほどです。外では水しぶきで、あたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなるため、車の運転は危険です。 さらに80ミリ以上の雨は、「猛烈な雨」と表現されます。これは、息苦しくなるような圧迫感があり、恐怖を感じるくらいです。こちらも車の運転は危険で、場合によっては短い時間で浸水が発生し、車内に閉じ込められる可能性もあります。 いずれの雨が降った場合も、災害の危険性がかなり高まります。こうした雨が台風の周辺、さらに台風から離れた所でも発生しやすい状態が長期にわたって続きます。短時間の大雨、さらに総雨量の増加による大規模災害の発生に厳重な警戒が必要です。
台風の大雨 避難するには
今回の台風では、西日本・東日本の広い範囲でかなりの大雨が予想されています。大雨災害時に避難するには、ポイントが2つあります。 1つめは、早めの避難を心掛けることです。特に、お年寄りや障害のある方など、避難に時間のかかる方がいらっしゃる場合は、大雨になってしまう前に、行動してください。また、夜中に大雨が予想される場合は、なるべく明るいうちに、避難所など安全な所へ避難することが重要です。 2つめは、より安全な所へ避難することです。これまで、土砂災害の多くは、木造家屋の1階で被害にあっています。すでに雨が強まっている、浸水が始まっているなど、どうしても避難場所への移動が困難な場合は、近くの頑丈な建物の2階以上へ移るのも、選択肢の一つです。家の中に留まる場合も、斜面から離れた部屋や、2階以上の部屋へ移ってください。 万が一、土石流が発生した場合は、土砂の流れる方向に対して直角に、できるだけ高い所へ避難することが、命を守ることにつながります。
日本気象協会 関西支社 小寺 啓太