「家を背負って石碑の下に眠るのと、土に還るのと何の違いがあるんだろう」“墓友”という仲間との「樹木葬」を選んだ72才女性が語る思い
墓の購入を介して墓友とめぐり合う
ほかにも自分で墓を見つけようとする女性にはさまざまな思いがある。10年前に夫が他界した埼玉県在住のAさん(67才)が話す。 「義両親の介護を放棄したくて『死後離婚』しました。実家の墓に入るつもりでしたが、子供のいない実兄が継承者がいないことを理由に墓じまいし、結婚して遠方に住む息子も新たに墓を持つというので、自力でお墓を見つけることにしました。いまは霊園の販売ツアーに参加していますが、同じような境遇で参加する女性が多くて驚いています」 実際に墓の購入を介して墓友とめぐり合うケースもある。 未婚者の「おひとりさま」である栃木県在住のBさん(58才)は一昨年に行われた両親の十三回忌の席で、兄から「お前はうちの墓に入るつもりなのか」と言われたのを機に、自分の墓を持つことを決意。地元葬儀社が開催する「共同墓地説明会」に足を運んだ。その場で知り合ったのが、夫を亡くして3年になる女性(65才)だった。 「ずっと義両親にいじめられたので婚家の墓には絶対入りたくないというかたで、墓を探す訳アリの女同士、すぐに意気投合して一緒に共同墓地に入ることを決めました。 いまはエンディングノートの内容についても話し合い、レジャーや食べ歩きも楽しんでいます。お互いの弁護士に死後の扱いに触れた遺言書も預けました」(Bさん) 墓参りをきっかけに墓友と出会うこともあるという。 「ひとりでお参りに来たかたが、自分と同じように参拝されているかたと一緒になり、帰り道で連絡先を交換して自然発生的に墓友になるケースも聞きます」(井上さん) 昔からの友人とともに墓探しをしているのは、内縁の夫がいる茨城県在住のCさん(71才)。 「40才を過ぎてから、3人の連れ子がいる家に後妻に入った親友と“お互いに入る墓がないね”と言い合って、一緒に入るお墓を探しています。 最近、適当な霊園が見つかり、土地や墓石、永代供養料など総額400万円の費用を2人で折半する予定です」(Cさん) (第3回に続く。) ※女性セブン2024年11月21日号