町田だけじゃない「J1、なでしこ、JFL首位チーム」シン・快進撃の舞台裏(3)C新宿戦「試合は生き物」論で快勝、日本サッカー強化に「不可欠」な挑戦
■「簡単ではない」Jリーグ、WEリーグ」入り
トップリーグであるJ1ではFC町田ゼルビアという新興クラブが、徹底して勝負にこだわるサッカーで昇格1年目の優勝を狙う。昇格初年度のクラブの優勝は画期的なことだが、東京都のクラブのJ1制覇も初めてとなる。 そして、女子の2部リーグに当たるなでしこリーグでは、宮崎県にある人口1万5000人ほどの小さな町のチーム、ヴィアマテラス宮崎がハードワークで勝利を重ねて旋風を巻き起こし、多くの観客を集めている。さらに、Jリーグ空白県の高知ユナイテッドSCは、非常に組織的でクレバーなサッカーでJFLで独走状態を築いている。 こうして、日本のサッカーは戦術的な幅も広がるし、地域的にも全国津々浦々まで広がっていく。 人口が少ない地方のクラブは、観客動員力では大都市のクラブのような数字は残せない。地元に大きなスポンサー企業も存在しないから財政的にも苦しいはずだ。たとえば、高知UがJFLで2位以内に入ったとしても、観客動員力やスタジアム施設の問題でJリーグ入会資格が認められるかどうかは微妙なところだ。V宮崎のWEリーグ入りも簡単ではないだろう。 しかし、全国の都道府県にクラブが存在することは、日本サッカー強化のために大事なことだ。それによって各地のタレントを見逃さないようにすることができるからだ。 ライセンス規定をあまりに厳格に運用すると、こうした地方クラブの挑戦を妨げることになってしまう。ライセンス規定はより柔軟に運用して、地方からの挑戦に機会を与えたいものである。
後藤健生
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