本当の『MBTI』とは? 日本MBTI協会を取材 正しくは「性格診断ではない」
今、若者を中心にSNSでよく見られる言葉『MBTI』。4文字のアルファベットを用いて性格のタイプが診断されるテストとして、韓国のアイドルなどの著名人がプロフィル欄に『INFP』や『ESFJ』などの“結果”を掲載しているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。多くの人が、無料でできる性格診断の結果を『MBTI』として共有していますが、実はこれは正式な『MBTI』ではありません。 日本MBTI協会によれば、誤って『MBTI』として広まっている無料の性格診断テストのひとつが、2022年に韓国でブームとなった『16Personalities』。60問の質問に対し、「とてもそう」「あまりそうでもない」「ふつう」といった7段階の程度から回答を選択し、その自身の回答により、“内向的”、“外向的”など、性格のタイプが診断され4文字のアルファベットで表示されます。SNS上でも『16Personalities』が『MBTI』として認知されていることが多く、正式の『MBTI』とは異なる情報が拡散されています。 本当の『MBTI』とはどういったものなのか日本MBTI協会を取材しました。
■『MBTI』とは 自分自身への理解を深める方法の1つ
日本MBTI協会の代表理事・園田由紀さんは、「16Personalities検査をはじめ、ときどき日本のサイトで散見される“MBTI診断”、“16Type検査”などは、すべてMBTIとは似て非なるものとなります」と回答。正式の『MBTI』とは「性格診断検査ではなく、自分の認知スタイルを指し示す自己分析メソッド(方法)』」であるといい、受けた人が、自分の性格のタイプ(こころの利き手)を自分で見出してゆくものです、と説明しました。 また、WEB上で無料で簡単に受けられる診断の『16Personalities』に対し、『MBTI』は有料であり、かつ国際規格のトレーニングを受けた取り扱い資格を持っている専門家の支援を受けながら、自分と対話をしながら自身への理解を深めていくもので、園田さんは、欧米では最低2時間、日本では最低でも4時間かけて本人が自己分析を深めるための心理検査だと説明しました。 別の性格診断が『MBTI』と誤解され広まっている理由として園田さんは「使用されている結果表示の記号が同じ」であることを指摘しています。拡散されている『16Personalities』との共通点について「基本同じ部分は一切ありません」としながらも、「あえていえば、表面的には4文字のアルファベット記号が同じということかもしれませんが、アルファベットの意味がそれぞれ異なりますので、やはり同じ部分はないという回答になります」としています。 誤った認識が広がっている現状について園田さんは、「今の“『MBTI』ブーム”を、本当の『MBTI』に出会ってもらえる機会でもあると考えて、一人でも多くの人に、『MBTI』について正しい情報を提供することにこれからは尽力してまいりたいと思います」とコメントしました。