「ホラーとバラエティはすごく似ている」『あのコはだぁれ?』主演渋谷凪咲が清水崇監督の現場で感じた“緊張感”
お化けがいると分かっていても行かねばならない時がある
――観ているだけではわからなかったホラーの新たな魅力の発見もあったのでは。 これまで、ホラー映画を娯楽のひとつとして観ていた時は、「怖い場面ではキャーッと叫ぶ」みたいなセオリーがあると思っていたんですけど、本当に怖すぎたら声って出ないんだな、というのは今回新たに学びました。 演じる側としては、キャーとかワーとか叫ぶだけでなく、目を見開く、呼吸もできなくなる、など、恐怖の感じ方や表現も今回、たくさん教えていただきました。 映画はフィクションの世界とはいえ、ホラーの場合は見ている方が「嘘」だと思ったら、その「怖さ」が半減してしまいます。「いかにやりすぎずにやり切るか」みたいな強弱の加減も、今回監督から教わりました。 今作では、予想外のところから何かが不意に現れる怖さ、静けさのなかからじりじりにじみ出てくる怖さ、理由は分からないけれど居心地の悪い気持ち悪さなど、いろいろな「怖さ」がでてきます。それもぜひ味わっていただきたいですね。 ――ホラー作品の見方は変わりましたか? そうですね。家族とホラー映画を観ていた時は、よく「そんなところに行くからまたお化けに会うんだ」などと突っ込みながら観ていたんですけど(笑)、実際自分が当事者になってみると、恋人や生徒を守るために、お化けがいると分かっていても行かねばならない時がある、という事情はくみ取れるようになりました。 怖さから目を背けるのではなく、守るべきもののために立ち向かい、真実を追求していくほのかを演じて、もし自分もその状況に置かれたら、ほのかのようにできるようになりたいと思いました。結局、それが強さだと思いますし、そういうほのかの冒険作品として観ていただくのも楽しいと思います。 ――ホラー要素だけでなく、渋谷さん演じるほのかの勇気も見どころなんですね。 そうですね。皆さんにはぜひ、ほのかと一緒の目線で、違和感に気づき、一緒に立ち向かっていく冒険をしていただけたら嬉しいです。 ただ今作は、予想できないことがどんどん起こる映画なので、1回ではなく2回、3回と観ていただき、個性豊かなキャストの動きと、皆さんのアイデアが詰まっているホラーシーンにも注目してほしいと思います。 ホラーシーンは、もちろん監督の演出もありますが、現場でキャストたちが「もっとこうしたら怖くなりませんか」と提案して「怖い」を増幅していった部分もたくさんあります。『ミンナのウタ』のDNAを受け継ぐ作品として、さらにバージョンアップしたホラーシーンとなっていると思いますし、ピントの合わせ方とかカメラの撮り方もすごく面白いです。伏線もいろいろあるので、何回も見るとより面白さを味わえると思います。 怖くて目をつむってしまうシーンもあるかもしれませんが、その数秒には私たちの全力の思いがギュッと詰まっているので、心の準備をして、1秒も逃さずに観ていただけたらいいなと思います。 渋谷凪咲(しぶや・なぎさ) 生年月日:1996年8月25日 2012年、大阪・難波を拠点に活動するアイドルグループNMB48の4期生として加入。以降はグループの中心メンバーとして活動。バラエティー番組「イタズラジャーニー」(フジテレビ系)、情報番組「DayDay.」(日本テレビ系) をはじめとした多くのレギュラー番組に出演。ドラマ「だが、情熱はある」(日本テレビ系/23)では、山里が好意を抱く相手役を好演し話題に。2023年12月、NMB48を卒業し本作で映画初主演。 映画『あのコはだぁれ? 』 7月19日(金)全国公開 ■STORY ある夏休み。補習授業を受ける男女5人。 この教室には、 “いないはずの生徒” がいる──。 とある夏休み、臨時教師として補習クラスを担当することになった君島ほのか(渋谷凪咲)の目の前で、ある女子生徒が 突如屋上から飛び降り、不可解な死を遂げてしまう。“いないはずの生徒”の謎に気がついたほのかと、補習を受ける生徒・三浦瞳(早瀬憩)、前川タケル(山時聡真)らは、“あのコ”にまつわるある衝撃の事実にたどり着く……。彼らを待ち受ける、予想もつかない恐怖とは……? ■出 演:渋谷凪咲 早瀬憩 山時聡真 荒木飛羽 今森茉耶 蒼井旬 穂紫朋子 今井あずさ 小原正子 伊藤麻実子 たくませいこ 山川真里果 松尾諭 マキタスポーツ / 染谷将太 ■監 督:清水崇 ■原案・脚本:角田ルミ 清水崇 ■製 作:「あのコはだぁれ?」製作委員会 ■企画配給:松竹
相澤洋美