「ホラーとバラエティはすごく似ている」『あのコはだぁれ?』主演渋谷凪咲が清水崇監督の現場で感じた“緊張感”
マネージャーさんに「一緒の部屋で寝てください」と約束
――ホラー作品の現場の雰囲気はいかがでしたか? 撮影が始まる前は、「ホラー映画の現場」というだけで怖くて、「もしかしたら撮影中にラップ音が聞こえるかも」みたいなことも考えていました。 ホテルに泊まり込みで行う撮影もあると聞いて、「ひとりで眠れるか不安だから、一緒の部屋で寝てください」と、マネージャーさんと約束もしていたのですが、いざ撮影が始まってみると、すごく和気あいあいとした現場で。本当にホラーを撮っているのかな、と思うほど楽しかったのは想定外でした。 もちろん、心配していた心霊現象も起きず(笑)。ホテルも一人部屋で朝までグーグー寝ていました。 ――清水監督についての印象も教えてください。 清水監督は、ひと言で言えば、すごく楽しい方でした。監督自ら「色紙にサイン書いて」とキャストの楽屋をまわってくるお茶目さもあるんですよ。 ずっと冗談を言って場を和ませてくださるので、気負わずに演技ができました。 ただ、本番の合図がかかると急に雰囲気が変わって、「ホラーモード」になるんですよね。ここはホラーの見せ場だ、というシーンのときはすごい緊張感が漂い、別の現場のようでした。 バラエティもそうですが、その空気感はすごく大事なので、真剣に取り組ませていだきました。 ――大変だったシーンはありますか。 私が演じた君島ほのかが、自分の感情が制御できなくなり、ワーッと叫ぶシーンです。 臨時教師としてある学校の補習クラスを受け持つことになったほのかは、着任当初から小さな違和感を抱いています。そのすべての点が線としてつながったとき、それに気づいて声をあげる……、という重要なシーンで、物語の要ともいえる場面でした。 リハーサル中にあまり声を出しすぎると本番で声が嗄れてしまう、という理由と、何度もやっていると慣れて新鮮味が薄れてしまう、という2つの理由から「リハーサルは声を出さず、本番で出し切ってください」と言われました。 本番にならないとどんなふうに叫べばいいかわからないというのは不安でしたが、いざ本番になって声を出した時は、「こんな声が出せるんだ」と自分でも驚きました。これは、清水監督と作品に引き出していただいた新たな一面だなと思っています。