孤立集落、全て解消 奥能登豪雨1週間
●避難所に456人、関連死懸念 奥能登豪雨は発生から7日目の27日、輪島、珠洲両市に残っていた孤立集落が全て解消された。避難者は27カ所に456人おり、劣悪な衛生環境や心身の疲弊による災害関連死のリスクも懸念されている。豪雨による死者は11人。依然として4人の行方が分からず、警察や消防、海保などは海岸を重点に捜索に当たった。 馳浩知事は同日の石川県災害対策本部員会議の後、不明者の救助を急ぐとした上で「被災者が安心して生活できる環境を提供していく」と述べた。 28、29日は災害ボランティアを現在の1日105人から235人に増やし、輪島、珠洲、能登3市町で活動してもらう。輪島市の日本航空学園に地震対応で設けたボランティアの宿泊拠点は、今月末に閉鎖予定だったが延長して活用する。 ●柳田小中で授業再開 休校の町野小、東陽中 輪島市教委は27日、豪雨で休校していた町野小、東陽中について、10月1日から能登町柳田小、中で授業を再開すると発表した。スクールバスを運行して対応する。 輪島中3年の喜三翼音(きそはのん)さん(14)の行方が分からなくなっている輪島市久手(ふて)川(がわ)町周辺では、消防隊員ら約480人が塚田川の下流側や海岸を重点的に捜索した。 父鷹也さん(42)は、家族や知人と一緒に海岸付近で捜索活動を見つめた。前日に翼音さんのへその緒が見つかったといい、鷹也さんは「諦めていない。(翼音さんが)見つかったら『おかえり』と声をかけ、まずは休ませてあげたい」と声を震わせた。 県が情報を公表している安否不明者は次の通り。問い合わせや情報提供は県危機対策課=076(225)1306=まで。 喜三翼音さん(女性14歳、輪島市久手川町堂山)中山美紀さん(女性31歳、同市町野町寺地)中村菊枝さん(女性75歳、同市門前町皆月)