[国スポ少年男子]強みをより発揮した佐賀県が4-2で愛媛県を下し、初の決勝進出!開催地Vへ王手!
[9.24国スポ少年男子準決勝 愛媛県 2-4 佐賀県 駅スタ] 佐賀県が開催地Vへ王手! 24日、「SAGA2024第78回国民スポーツ大会」サッカー競技少年男子の部準決勝が鳥栖市の駅前不動産スタジアム(鳥栖スタジアム)で行われ、地元・佐賀県と愛媛県が激突。佐賀が4-2で勝ち、初の決勝進出を決めた。佐賀は25日の決勝で広島県と対戦。勝てば、2013年東京都以来の開催地優勝となる。 【写真】ジダンとフィーゴに“削られる”日本人に再脚光「すげえ構図」「2人がかりで止めようとしてる」 愛媛、佐賀ともに初めて準々決勝を突破して迎えた準決勝の舞台。前回準優勝の大阪府、大分県に勝利して勝ち上がってきた愛媛の先発は、GKが山田徠斗(愛媛U-18、1年)でDFは右から石原拍(愛媛U-18、1年)、曾我暖(今治U-18、1年)、喜代吉三生(今治東中等教育学校、2年)の3バック、右WB高須賀蓮(愛媛U-18、1年)、左WB福石拳太郎(愛媛U-18、2年)、アンカーが主将の渡邉俊史(松山北高、1年)でインサイドハーフに仙波隼太郎(愛媛 U-15、中3)と小松海晴(愛媛U-18、1年)、そして永易昂樹(今治U-18、2年)、俵拓斗(愛媛U-18、2年)が2トップを務めた。 一方、佐賀は山梨県、福島県を破って準決勝進出。この日の先発は、GKエジケ唯吹ヴィンセントジュニア(鳥栖U-18、1年)、DFは右から坂口昊太郎(鳥栖U-18、1年)、井上叶翔(龍谷高、2年)、ゲーム主将の米湊勇弥(鳥栖U-18、1年)、鈴木颯真(鳥栖U-18、1年)の4バック。吉原勘九郎(鳥栖U-15唐津、中3)と加藤孝一朗(鳥栖U-18、1年)のダブルボランチ、右SH末次瞬(鳥栖U-18、1年)、左SH中村優希(鳥栖U-18、1年)、そして真殿京佑(鳥栖U-18、1年)と谷大地(鳥栖U-18、1年)が2トップを組んだ。 互いに1対1で負けないことや切り替えの速さを強調する両チームの戦い。後ろに人数をかけた愛媛は相手をやや引き込みながら良い形での奪い返しからクロスやラストパスへ持ち込み、曾我の精度の高いフィードも交えてゴールを目指す。一方の佐賀は、正確なキックを見せるGKエジケやDFラインからボールを繋いで攻撃を組み立て、加藤の散らしや鈴木の攻め上がりからチャンスを伺う。 前半15分、佐賀が先制する。鈴木の左ロングスローの流れから、ボールを再び持った鈴木がロングクロス。これを大外の坂口が折り返すと、米湊が頭で繋ぎ、最後は真殿が右足ダイレクトでゴールへ蹴り込んだ。 末藤崇成監督(サガン鳥栖U-15唐津)が「僕らのウリは2トップだと思っているので。クロスでトップに点を取らせるっていう練習は、立ち上げの時からずっとやってきた」という形から先制点。佐賀は、19分にもGKエジケのロングフィードで中村が抜け出す。GKをかわしながら放ったシュートは右へ外れたが、その後も球際の攻防で愛媛を上回り、中でのプレーを増やした末次が係る形で攻撃を仕掛ける。 愛媛のベンチからは「球際が弱い!負けている、相手に!」という檄が飛んでいた。これに対し、佐賀の末藤監督は「愛媛さんもそういうところを大事にしてるっていう話は聞いてたんで。でも、『そこで上回れなかったら佐賀じゃないよね』と。そこからスタートしたので、行くところはしっかり行って、攻撃のところもボールを動かし、 長いボールを使っていっていうことが前半は良くできたかなと思います」。その佐賀は30分、奪い返しから末次が中央を一気に前進。そして、右前方への角度をつけたスルーパスから谷が右足で決め、2-0とした。 noyahoobody>前半30分、佐賀FW谷大地(鳥栖U-18、1年)が3戦連発となるゴール 対する愛媛は後半開始から福石と小松に代えてMF矢野泰聖(松山北高、1年)とFW玉城千也(愛媛U-18、1年)を投入。高須賀が内側のポジションでビルドアップに係わりながらボールを前進させる。佐賀のやや対応が後手になる中、愛媛はパス交換からのシュートや好守からのクロス。そして8分、永易が右中間から左足ミドルを決め切り、1点差とした。 勢いに乗った愛媛は反撃を加速させる。だが、佐賀は身体能力の高さを活かして守る井上や米湊中心に次の1点を許さない。逆に吉原の素晴らしい右足ミドルや真殿の左足シュートで攻め返す。 その佐賀は19分に中村をFW原田蓮太郎(鳥栖U-18、1年)へ入れ替え、迎えた22分に貴重な追加点。右からボールを繋ぐと、真殿の落としを受けた加藤がミドルレンジから迷わず右足を振り抜く。DFを弾いたボールが左隅に決まり、大きな追加点となった。 愛媛は直後に今大会奮闘の中学生MF仙波をFW菅範十(愛媛U-18、1年)へチェンジ。24分には連続シュートで相手ゴールをこじ開けようとするが、DFにブロックされ、菅のシュートもGKエジケに阻まれてしまう。逆に佐賀は27分、GKエジケのキックから谷がDFライン背後へ繋ぐ。これで真殿が抜け出し、4点目を奪った。 佐賀はこの後、加藤を右WB才木隆功(佐賀東高、1年)へ代えて坂口、井上、米湊の3バックへ移行。愛媛も高須賀をMF中本崇太(愛媛U-18、1年)と交代した。愛媛はアディショナルタイムにPAへ抜け出した菅がPKを獲得。佐賀はこのタイミングでGKエジケと坂口をGK久富一寛(鳥栖U-18、1年)、DF吉村吏貴(鳥栖U-18、1年)へ交代する。愛媛は直後のPKを菅が決めたが、反撃はこの1点のみに終わり、佐賀が決勝進出を決めた。 佐賀は地元の期待に応える決勝進出。末藤監督は「この大会を迎える前に鳥栖のユースとゲームをやって、そこで僕たちも戦術を何パターンか試させてもらったんで、その時間がかなりデカかった。アカデミー全体で応援してくれてありがたいなと思います」。そして、サガン鳥栖や佐賀県のバックアップを感謝していた。 この鳥栖U-18戦を欠場した加藤も、「守備だったら、3ラインで固めて、簡単にはゴールを決めさせない。攻撃では個人で身体の強さで勝てなかった部分でも、自分たち結構1人1人上手いタイプだと思うんで、 そういうチームが1つになって崩していくっていうところがその試合で良くなったし、刺激をユースからもらった」。国スポのどの参加チームよりも強い鳥栖U-18との戦いで身についた力。準決勝でも自分たちの強みを表現し、勝利に結びつけた。 決勝へ向けて、加藤は「佐賀で開催されてるっていうこともあって、緊張もあって、ワクワクも、やってやろうっていう気持ちもあるし、やっぱり決勝の舞台まで来たらもう優勝しかないと思うんで、必ず優勝して、チームとしても、個人としてもいい結果が出せるように頑張りたいです」と力を込め、井上は「佐賀の人たちがやっぱ自分たちのために応援してくれてると思うんで、しっかり期待に応えて、やっぱ結果で表したいと思います」と意気込んだ。あと1勝。初優勝を地元の観衆とともに喜ぶ。