きょう沖縄「慰霊の日」 戦後79年 犠牲者悼み恒久平和を誓う【知事メッセージ全文あり】
沖縄は23日、住民を巻き込んで20万人超が犠牲となった沖縄戦から79年の「慰霊の日」を迎えた。県内各地で犠牲者を悼む催しが営まれ、恒久平和を誓う。 【動画】「これも遺骨だよ」壕を掘って収集を続ける具志堅隆松さん 糸満市摩文仁の平和祈念公園では、午前11時50分から県や県議会が主催する沖縄全戦没者追悼式が開かれる。正午の時報に合わせて黙とうし、戦没者に祈りをささげる。 追悼式では、玉城デニー知事が平和宣言。不戦と恒久平和を希求する沖縄の心を国内外に発信する。岸田文雄首相らも参列する。式典終了後の一般焼香も実施する。 県庁と平和祈念公園を往復する無料シャトルバスも運行。午前8~10時にかけ約10分おきに県庁正面玄関前を出発。帰りの便は午後1~3時に公園を出る。車いす対応バスは2便で、午前9時半と午前10時に県庁を出発し、帰りは午後2時と午後3時発となる。 県警関係者によると、今年の沖縄全戦没者追悼式では、過去最大規模だった昨年同様、千人以上の警察官を動員する予定。式典会場は入場の際に金属探知や手荷物検査がある。県警の担当者は「首相をはじめとした警護対象者だけでなく、参加者全員の安全確保のための対応だ」と説明している。 (社会部・下里潤、豊島鉄博) ■慰霊の日 玉城デニー知事のメッセージ 本日、「慰霊の日」を迎えるに当たり、全戦没者のみ霊に対し、謹んで哀悼の誠をささげます。 沖縄は、先の大戦において、一般住民を巻き込んだ凄惨(せいさん)な戦闘の地となり、多くのかけがえのない尊い生命と、美しい自然、財産および貴重な文化遺産を失いました。 終戦から79年もの月日が流れましたが、今なお、その傷痕は癒えることはなく、戦争で犠牲になられた方々のみ霊に対する哀悼の念は、一層深まるばかりです。 私たちは、沖縄戦をとおして、戦争の愚かさと平和の尊さを学びました。戦争体験者が苦しくも語り継いでいただいた戦争の実相と教訓を、次の世代へ正しく伝えるとともに、平和を願う「命どぅ宝」という「沖縄のこころ」を世界に発信し続けることで、平和な社会を築きあげることが、私たちの使命であり、大きな責務であります。 「慰霊の日」は、この冷厳な歴史的事実を厳粛に受け止め、戦争による惨禍が再び起こることのないよう、人類普遍の願いである恒久平和を希求するとともに、戦没者のみ霊を慰める日として定められています。 県民の皆さまには、御家族や御友人と共に戦没者を追悼し、平和を誓う日としていただきたいと思います。 本日は、沖縄県の主催により糸満市摩文仁の平和祈念公園において午前11時50分から「2024年沖縄全戦没者追悼式」を開催します。 それぞれの家庭や職場においても、正午の時報に合わせて戦没された方々のみ霊に1分間の黙とうをささげてくださいますようお願いいたします。 2024年6月23日 沖縄県知事 玉城デニー