ラグビーW杯メンバーから山田、立川の功労者2人が落選した理由とは?
日本ラグビー協会は3日、9日から始まる宮崎合宿に参加するメンバー42人を発表した。9月に開幕するW杯の事実上の“1次選手選考”で注目されたのは、功労者の落選だった。2月から各所で活動してきた代表候補メンバー約60名のうち、2015年のW杯イングランド大会で活躍した山田章仁(33)、立川理道(29)が選外となったのだ。 【中継録画】ラグビー日本代表、W杯前哨戦へ合宿メンバー42人を発表 この日はジェイミー・ジョセフヘッドコーチが薫田真広強化委員長とともに都内で会見。予定の14時より7分早く登壇し、マイクを取った。 「選ばれなかった選手全員に対しても言えることですが、私の仕事は勝てるチームのメンバーを選ぶことと、バランスを取ることです」 W杯イヤー。ジョセフが「ファンデーション1」と名付けた冬から春までの期間、日本代表候補選手は概ねふたつのグループに分かれて活動した。 主力候補の多くは2月からのラグビーワールドカップトレーニングスコッド(RWCTS)キャンプで基本技術と基礎体力を涵養。3~5月はこのメンバーを軸にウルフパックというチームを編成し、スーパーラグビーの2軍クラスの相手などと強化試合を繰り返した。一方で日本代表でのレギュラー定着を目指す選手の一部は、1月からサンウルブズに入り国際リーグのスーパーラグビーへ挑戦した。 休養と鍛錬の合わせ技で育成すべき選手、経験値を積ませるべき選手を個別に振り分け、両軍間の人的交流も頻繁かつやや即興的に実施した。 6月以降は「ファンデーション2」とされ、絞り込まれたメンバーが宮崎合宿と7月から始まる「ワールドラグビー、パシフィックネーションズカップ2019」を通して戦術をアップデートする。 「ファンデーション1」の間、ウイングの山田はまずRWCTSキャンプに参加した。しかしウルフパックではハイランダーズとの強化試合に出たのみで、5月22日からはサンウルブズに追加招集されるも6月1日時点では同チームでの出番はなし。結果的に今回メンバー入りする選手の多くは5月中旬の時点で全ての代表メンバーの活動からは離れていた。 一方で昨秋のツアーメンバーにも加わらなかったインサイドセンターの立川は、RWCTSキャンプに3月から練習生として参加。ジョセフ体制が発足した2016年は共同主将に就任も、今季は「『チームをよくしよう』ということは、他のリーダーの役割。自分はいまの自分にフォーカスしたい」と切り替え怪我人の出たサンウルブズでプレーしたり、ウルフパックで不慣れなアウトサイドセンターに入ったりしながら生き残りを図っていた。