コツコツ貯めた「500万円」が普通預金口座にあります。ローンの繰り上げ返済や投資に使うのはやめた方がよいでしょうか?
銀行などにお金を貯めている家庭は多くありますが、超低金利といわれる昨今の国内金融事情のなか、お金をもっと有意義に使いたいと考える家庭も少なくないでしょう。 今回のケースのように、ローンの繰り上げ返済に充てたり、投資をしてリターンを狙うなどの運用を考えたりするかもしれません。 本記事では、銀行預金としてお金を残しておく方がいいのか、別の用途に使う方がいいのかについて、ポイントをかいつまんで解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
普通預金口座に500万円を入れておくメリット・デメリット
銀行に現金を預け入れておくメリット・デメリットには以下のような点が挙げられます。 <メリット> ・「預金保険制度」により元本1000万円や利息が保護される ・好きなときに現金として引き出せる <デメリット> ・金利が低いと利息はほとんどつかない 今回のケースでは500万円の預金であるため、預金保険制度加入の銀行であれば全額保証され、安全性は高いです。 一方、銀行に預け入れることで発生する利息にはあまり期待できないでしょう。仮に国内銀行の普通預金金利が年0.1%の場合、利息は5000円です(税引き前)。5000円を多いとみるか少ないとみるかは人によるかもしれませんが、金利が高い諸外国の銀行と比較すると魅力が少ないと感じるかもしれません。 例えば外貨定期預金の場合、仮に米ドルで1年間、金利3.7%の条件で500万円を預け入れると、14万円ほどの払い戻しを受けられるケースがあります。これはあくまで為替レートの変動がない場合のシミュレーションに過ぎませんが、国内銀行の金利と比較すると、諸外国の金利に魅力を感じる人は少なくないでしょう。
貯金を有効活用できるかもしれない方法
銀行預金として500万円を残しておく代わりに、ほかの方法で資産を有効活用したい場合、さまざまな選択肢が考えられるでしょう。代表的な選択肢をご紹介します。 ■ローンの繰り上げ 住宅やマイカーなど、なんらかのローン商品を契約している場合、貯金から繰り上げ返済して分割手数料を目減りさせる方法があります。例えば以下の条件でマイカーローンを組んでいるとしましょう。 ・借入元金:300万円(ボーナス返済分0円) ・借入期間:4年 ・返済済み期間:1年 ・借入金利:2.5% ・返済方法:元金均等返済 この場合、毎月の返済額は6万5742円です。では仮に100万円を繰り上げ返済するとどうなるかというと、残りの返済期間は毎月の返済額が3万6086円まで下がり、利息を3万7943円節約できます。200万円繰り上げ返済する場合は、毎月6430円の支払いで済み、7万5884円の利息を節約可能です。 このようにマイカーローンであれ住宅ローンであれ、繰り上げ返済をすると支払う利息額が減るため、預金500万円を有効活用できるといえるでしょう。 ■投資 新NISAに代表されるように、国は現在投資を促しています。投資とひと口にいっても金融商品は数多くあるため、どの商品が預金を有効活用できるか断定することはできません。 仮に想定利回りが年率3%の金融商品があるとして、毎月5万円の積み立てを4年かけて行う場合、投資額の合計は240万円です。想定通りの利益が出る場合、4年目には運用資産額が255万円となり、15万円ほど資産を増やせる計算になります。 実際の利回りがどうなるかは分かりませんが、安定性の高い金融商品であれば、比較的安全に資産を増やせるかもしれません。ただし注意点として、投資には元本割れリスクもあります。 投資先が破綻して株式の価値がなくなってしまう可能性もゼロではありません。預金を投資に回す場合は、利回りや元本割れリスクなど最低限の知識を持って臨むようおすすめします。
預金の一部を有効活用する選択肢はさまざまある
銀行預金は預金保険制度などにより元本保証が一定額までされており、安全性は高い半面、利回りの低さがネックになる可能性があるでしょう。そのため資産を増やしたい場合や将来のローン支払いを減らしたい場合などは、繰り上げ返済や投資にお金を回す方がいいかもしれません。 ただし預金から生活費の一部を出しているのであれば、500万円すべてをつぎ込むのではなく、余裕資金のみを割り振るようおすすめします。 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部