虐待受けた子どもたちを取材した著者が語る「明日ママ」――「誕生日を知らない女の子」黒川祥子さん
描くべきは「子どもの喪失感」と「どう受けとめるか」
――制作側は内容を改善する方針と報じられましたが、12日の放送では問題のひとつとされていた「ポスト」などのあだ名は変更されていませんでした。ドラマに対して要望することはありますか? 黒川さん 何らかの問題によって親から離れて暮らしている子どもは、深い喪失感を持っています。「無条件に愛してほしい」という子どもなら当然の願いが叶えられていないからです。その喪失感や、その喪失感を周囲の大人がどう受けとめていくかについてを描いてほしい。そこが一番大切なポイントだからです。主人公がヒーローのように周囲の子を助けて、勧善懲悪のドラマにするのではなくて。芦田愛菜さんが演じている子こそ、自分の心にふたをしてしまっている子です。「つらい環境でも、子どもたちは健気に生きています」だけで終わってはダメだと思います。 ――ありがとうございました。 (取材・文=小川たまか/プレスラボ)