「神様のおかげでこの会社に」OB訪問で出会った信者…「一歩間違ったら誰でも」新興宗教勧誘の罠
就職活動がうまくいかなくて…メンタルが本当に落ちていたので『そういうこともあるかも』と思って
ある宗教2世の遺書をもとに“宗教虐待”に斬り込んだ映画『ゆるし』が3月22日に公開される。 【画像】絶句…!「また生まれ変わっても、お母さんのもとに生まれたい」… 本作の監督・主演を務めるのは、平田うららさん(22)。テキパキと明るく話し、意志が強く、自信に溢れた平田さんが宗教に取り込まれていったのは、不思議な印象もある。 なぜ宗教にハマってしまったのか。前編の映画の話に続き、後編では平田さん自身の入信と脱会の話を聞いた。 「私は大学2年生の時から就職活動をしていたんですが、うまくいかなくて。 唯一理由を教えてくれた会社によると、『協調性がない』ということでした。 私は小学校4年生から6年生という人格形成に一番重要な時期を上海で過ごしたので、自己主張も強いし、気も強くなってしまって。 日本に帰ってからは中学・高校を立教女学院というお嬢様学校で過ごしましたが、あまり馴染めなかったんです」 さらに、就職活動で落ち続けたことで、自分を全否定された気持ちになった。そんな時、ある企業のOB訪問で出会ったのが、新興宗教の信者だったという。 「『あなたは素晴らしい人格で素晴らしい人生を歩んでいるんだから、誇りを持っていいんだよ。それをわかってくれない会社があるなら、そこには入らなくていいんじゃないかな』と私を全肯定してくれたんですね。 それで、『神様のおかげでこの会社に受かった』とか、奇跡でケガが治った話などをしてくれたんですけど、普通は誰も信じないじゃないですか。でも、メンタルが本当に落ちていたので『そういうこともあるかも』と思ってしまって。 私はプロテスタントの学校に6年間通って、神様が近い存在だったことも信じてしまった理由にあるかもしれませんが、一緒に祈ってもらうと、たまたま就活で受かっちゃうんですよ。そこから、どんどん自分の居場所になっていったんです」 ◆友人や彼氏と別れることを強要されて… しかし、友人や彼氏と別れることを強要されるようになると、違和感を覚えるように。 「私は協調性がないから、なぜ別れなければいけないのかと反論して、びっくりされました。 そこからいじめが始まったんです。もう集会に参加させないと言われ、無視され、聖歌も歌わせてもらえなくなって。 もともと孤立している人間が、居場所になっている場所でハブられたらどうなると思います? すごく不安になって『ごめんなさい』となるんですよ。DVから逃げられない女の人とたぶん同じで、それでまた病んじゃって、そうするとまた、就職活動で落ち始めて。 メンタルが落ちていたらそれが出るから、落ちるし、逆に信仰している時は『神様の力があるから大丈夫』と自信満々でいるから、受かるんですよ。 今考えたら当然のことだけど、当時は全部神様に反抗したから、こんなことになったんだと思っちゃって。 社会で孤立して、友達や彼氏と縁を切れと言われて、反抗したけど、いじめられて、屈服して、結局縁を切って、戻る場所がなくなっちゃって、戻ったんです」