動画作成だけで150万円?衆院選の選挙運動でいくら使った?…県内小選挙区候補者の支出額明らかに 「実態はもっとかかる」との声も
新潟県選挙管理委員会への提出が義務付けられている2024年10月の衆議院選挙(衆院選)の「選挙運動費用収支報告書」が、ほぼ出そろった。「政治とカネ」が最大の焦点になった選挙で、県内の候補者たちはいくら使ったのか。 衆院選新潟県内小選挙区の立候補者、支出額一覧表はこちら 最多は1区から出馬し、落選した自民の塚田一郎氏で1202万円、次いで5区で落選した自民の高鳥修一氏が1005万円だった。野党側は1区で当選した立民の西村智奈美氏が894万円で最多。2区で当選した立民の菊田真紀子氏が751万円で続いた。 全員の平均677万円は前回2021年衆院選の723万円(全6区・16人)より50万円ほど減少。今回は首相就任から投開票までが戦後最短だったため、準備不足が影響した可能性がある。 では、お金は何に使われたのか。特に多かったのは、新聞折り込み費用や看板作成などの「広告費」と、ビラ、ポスター作成などの「印刷費」だった。中には動画作成だけで150万円以上を投じた候補もいた。 「人件費」は候補によって差が付いた。3区で落選した日本維新の会の吉村祐一郎氏は陣営スタッフがいなかったため、ポスター掲示やビラへの証紙貼りを業者に発注し、300万円以上をかけた。 比例復活した自民の斎藤洋明氏は165万円を計上。1日1万5千円の支払いが上限の「ウグイス」と呼ばれる車上運動員のほか、はがきの宛名書きなど単純作業をした人への報酬も含んでいるという。 制限の厳しい選挙支出。だが、普段の「政治活動」と選挙運動の垣根はあいまいで、実際にかかる費用はもっと膨れ上がるとの見方がもっぱらだ。 ある自民の元県議は「衆院選が700万、800万円で済むはずがない」とし、自身の県議選で2千万円かかったこともあったと明かす。選挙前からスタッフを雇用し、印刷物も刷らなければならないからだという。 報告書は県庁内の県選管で閲覧できる。