【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第3ステージ】翼を取り戻したファンアールト。「僕にとってパーフェクトなスプリントだった」
ステージ序盤にシュテファン・キュング、カスパー・アスグリーン、ヴィクトル・カンペナールツが、ちょっとした飛び出しを企てたこともあった。ただ上記2チームが厳しく対応し、強脚ルーラートリオの謀反はあっけなく鎮圧された。
残り51.4kmの中間スプリントは、前日と同じようにステージの最終的な行方を占う指針でもあり、それでいて前日とはまるで反対に物事が進んだ。第2ステージではグローブスがプロトン内で1位を取り(全体の3位通過)し、ファンアールトのボーナスタイム収集を阻んだ。この第3ステージでは、逆に、ファンアールトが先行した。全体の5位通過で、グリーンジャージ用に10ポイントをまんまと懐に入れた。ブエルタでは、中間ポイントは上位5人にしか与えられないから、グローブスにはなんの取り分も残っていなかった。
幸いにも、前日とは異なり、落車に苦しめられる選手はいなかった。またメカトラで発射台2人を失った前日とは異なり、この日のアルペシンは、最後まで理想的な列車を走らせた。序盤に賭けを失敗させたカンペナールツが、残り1.8kmで再びアタックを仕掛けると、アルペシン隊列が先頭に立って穴を埋めた。
さらには残り約800mでカンペナールツを封じ込めると、そのままラスト200mまで、アルペシン列車が最前列を堅守し続けた。エースのグローブスは、しっかり最終発射台の後輪に乗っていた。計画通りのはずだった。
一方のファンアールトは、前日はラスト1.5kmから発射台とともに先頭を突っ走ったが、今区間は残り500m前後で、ようやく前方へとポジションを上げた。しかも、そのまま、グローブスの背後に滑り込んだ。前日は逆にライバルに自らの後輪につかれ、何度も後方を振り返る必要に迫られたが、この日のファンアールトはただ前だけに意識を集中していれば良かった。
「僕の計画は、昨日とは正反対の動きをすること。それから、僕の強みを活かして、早めに仕掛けること。残り200mより手前で飛び出すことで、相手を驚かせられたと思ってる」(ファンアールト)
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