夜の居場所“ヨルキチ”を取材 「行くあてない」「家族感なかった」…事情抱える若者に変化も 代表が語る課題
日テレNEWS NNN
都内に、夜に特化した若者支援の場があります。月に2回開放されている「ヨルキチ」。さまざまな事情を抱える若者の居場所として利用者は増え、前を向けるようになった利用者もいます。運営するNPO法人の代表に、夜に特化した理由や課題などを聞きました。
■夜9時すぎ、続々と集まる若者たち
「こんばんは~」。夜9時すぎ、東京・豊島区の建物に、若者たちが続々と集まります。若者支援をするNPO法人サンカクシャが運営する「ヨルキチ」です。第2・第4金曜日の夜9時~朝5時まで開放されている、“夜の居場所”です。 サンカクシャの荒井佑介代表 「年齢でいうと、だいたい18歳から25歳くらいまでの子たちです」 利用者の若者(27)は「過去に受けた虐待とか、家族と仲が悪くて実家を出て…。誰かと飯を食いたいと思ってネットで『若者 居場所』って検索したら、ここが出てきた」と言います。
■相談に乗り、行政の窓口につなぐことも
「家に帰れない」「居場所がない」などと事情を抱える若者たち。ヨルキチは無料で利用でき、過ごし方は自由です。ゲームをしたり、おなかがすいたらご飯を作ってみんなで食べたり。 取材中、ある利用者が「作家さんを目指してて…」と明かしていました。スタッフが仕事や必要な支援の相談に乗り、行政の窓口につなぐこともあるといいます。 利用者の若者(18) 「明るくなって鬱(うつ)も少し治った感じはしますね。僕にとっては居場所ですね」 利用者の若者(23) 「家族感。こういう家族感がなかったから」
■代表に聞く…夜に特化する理由
夜に特化するのには、理由がありました。 サンカクシャ代表の荒井さん 「やっぱ夜不安定だなって思います、みんな。夜さみしいとか、あとちょっと死にたいとか、そういう気持ち抱えてる子も多いので。こうやって誰かと夜の時間帯過ごすとか、行ける場所があるのは思いのほか大事なのかなと思いましたね」 夜中に開いている居場所の支援は全国的にも珍しく、利用する若者は増え続けていると話します。 課題は他にもあります。荒井さんは「18歳超えた子たちの支援がとにかく足りていないのかなと思います。『若者たち働けるだろ』とか、ある種自己責任みたいな形で片付けられてしまうこと多いので…」と言います。