夜の居場所“ヨルキチ”を取材 「行くあてない」「家族感なかった」…事情抱える若者に変化も 代表が語る課題
■急に自立を促され「行くあてもない」
なおきさん(仮名・20)も支援を必要としている1人です。乳児院で育ち、3歳からは里親と暮らしてきました。20歳になるタイミングで児童相談所から、里親を通じて自立を促され、急に家を出ざるを得なくなりました。 「あっさりですね。本当にあっさりですね。行くあてもない、金もない。頼る人もいないんで『さっ、公園だ』みたいな」 通っていた専門学校の卒業が迫る中、住む場所を失ったなおきさん。公園で1か月ほど寝泊まりし、そのまま学校に通うこともありました。途方に暮れていた時に声をかけてくれたのが、荒井さんでした。 今は、NPO法人が支援するシェアハウスで暮らしながら、ヨルキチに通い続けているなおきさん。「自分で抱え込まずに話せるって、けっこう楽。自分の抱え込んじゃうクセも直せるので」と話します。
■自分が「支援する側」に回るのが目標
少しずつ前を向けるようになり、今後は自分が支援をする側に回るのが目標だといいます。 なおきさん 「20、21(歳)になってきて、これから頑張りどきの時に、自分が精神的に参ったりとか、俺みたいに転んで倒れてほしくないなっていうのは自分の中にあって。本当に困った時に助けてくれるであろう人ということで候補に挙がるような人にはなりたいなと」
■波瑠さん「居場所見つけるきっかけに」
藤井貴彦キャスター 「夜に特化した若者支援について、他の団体からもやりたいという声が上がっているそうです」 波瑠さん(俳優・『news zero』火曜パートナー) 「夜は気持ちがちょっと不安定になることもありますし、朝までつらい気持ちで過ごすことがないよう、よりどころがあるのはとても良いことだと思います」 藤井キャスター 「『キチ』というネーミングもいいですよね」 波瑠さん 「皆さんにお伝えしたいのは、社会には希望が感じられる居場所をきっと見つけられるよ(ということで)、それに気付いてほしいなと思います。この場所が、皆さんがいろいろな方法で社会に居場所を見つけられるきっかけになればいいかなと思います」 (6月4日『news zero』より)