「AK+1」ディレクター亜希さんインタビュー!働くアラフォーにエール
編集部:亜希さんは落ち込んだ時にはどう対処して乗り切っていますか? 亜希さん:自分のご機嫌をとるということを意識したことはないけれど、誰にも会わない日を作っています。 ちょっと落ち込んだら、もうとことん廃人みたいになって、顔も洗わず、お風呂も…。そこまで1人でぐぐっと落ち込むと、次の日が幸せだと感じられたりするんです。家に居続けると案外つまらなくて、とことん孤独を感じたりもして、発見は外にあるんだと気づき、結局外に出たいかもしれないと自分で思えるようになっていく。落ち込んでいる状態で人と会う、仕事をするということができないので、一度自分をとことん孤独にして下げてみるという荒療治が私らしいみたいです。でも、それもまた人それぞれ。自分が経験したことでない限りは、軽々しく言葉にしてはいけないなぁと思っています。だからこそ、自分の口から人に対してアドバイスできるのは、自分が本当に経験したことだけにするようにしているんです。1人で家に閉じこもるというのは私なりの方法なので、いろいろ試してみながら自分の抜け出し方を見つけてもらえたらいいなと思います。
編集部:「悩み」はどこから生まれてくると思いますか? 亜希さん:悩みは、他人と比べることから生まれやすいと思います。そう思うと、私は嫉妬がとても多い幼少期でした。貧乏な家庭に育ち、そのころはほかと比べてばかりいて…。「みんなのおやつはすごいなぁ」「あれを買ってもらえるんだ~」など、嫉妬ばかり。アイドルでデビューしても売れなくて、そこでもまだ嫉妬は続きましたし。 15歳のころから働いているので芸歴も長く、ほかの人に比べてずいぶん早くそういう嫉妬の多い時期を通過してしまっているのかもしれません。そうして早く終えているから、今は60代後半のような気持ちで子育てしている気がします。子どもたちにも、本当に怒らなくなり、よく言っていた「●●しなさい」を、言わなくなりました。怒りや命令って、何一ついいことがないと思えるようになりました。なぜ普通に会話をできなかったんだろう?と、今思います。寝坊しただけで、「なんで起きられないのー!」って怒っていましたから。 この4,5年、本当に怒らなくなったのですが、話せばわかるんですよね。私は何にこだわっていたのかなぁって不思議です。怒るということを私が捨ててから、彼らは好きな感覚で物事を選べ、好きな道に行けますから、息子たちもぐっと伸びました。命令で子育てしている時は、子どもがレールから外れないよう私が一生懸命レールに乗せようとしていただけなんだと今ならわかります。息子たちに今聞いてみたら、この数年怒られてないと言うと思います。でもそれは、いい子だから怒るところがないんですという話ではまったくなく、こちら側の問題で、「信じる」「手放す」という話。『家 ごはんと野球』という本を書いた時、自分の過去が蘇ってきたのですが、私は本当に何も怒られずに育ちました。母は、いつでも全部信じてくれていた。こうしなさいというレールもなく、叱られることもなく、すべて自分で決めてきました。それがいかにありがたいことだったか、思い返してしみじみよくわかったんです。親の感覚ではなく、子どもの感覚が一番素直で大事なんじゃないかと思えました。