「毎日お風呂で膝を抱えて反省。でも、自分は貫きたい」宇垣美里が日々考える“相手を傷つけずに自分も大切にする方法”
ネットは怖いものという感覚がある―自分の身を守りながら楽しんでいきたい
――宇垣さんはテレビやラジオなどさまざまなメディアで活動されていますが、多くの人にとって一番身近であるネットについてはどのようにお考えですか? 宇垣美里: いま私は個人的なSNSのアカウントは持っていないんです。レギュラーでやらせていただいているラジオや連載などの仕事を通して発信すればいいと思っているところがあるし、そもそもSNSでの発信はしないでおこうと決めているというのもあります。 成長と共にネットが発達していった世代なので、2ちゃんねる全盛期の時代も知っています。なので、なんとなくネットは怖いものというイメージが根付いていて、「ネットとは線引きをする」「ネットには全部載せちゃいけない」という感覚があるんです。「すぐに同志を見つけられる」というネットの良さも分かっているのですが、踏み切れないところがあります。 ――宇垣さんにとって、ネットの怖さとはどんなところですか? 宇垣美里: 万人に開かれているところだと思います。それが良いところでもあり、思いがけない人と出会えるチャンスが生まれるという一方で、良心を持った人だけが利用しているわけではないのが怖いところ。自分の身は守りながら楽しんでいきたいなと思っています。
30歳を迎え、「言い負かせばいいわけじゃない」と気づいた
――宇垣さんに対して、物怖じせず、自分を貫いているという印象を持っている人も多いと思います。宇垣さんにとって「自分を貫く」とはどんなことですか? 宇垣美里: 「自分の好きな自分を大切にすること」です。なるべく自分がカッコイイと思う自分や好きな自分でいることを心がけています。 ただ、自分の言動に対しては、毎日のようにお風呂の中で反省会をしています。例えば「あのとき聞き流しちゃったけど、あの言葉に対しては怒ってよかったんじゃない?」と、そのとき怒らずにニコッとしてやり過ごした自分がすごく不甲斐ないと思ってウジウジしたり、一方で間違っていると思ったことをその場で言うことができても「あの言い方はなかった。もっと丁寧で優しくて人を傷つけない言い方があった」と反省したりするんです。浴槽で膝を抱えて「あれはなかったよ、私」とか言っていますし、シャワーを浴びるときも滝行に近くて、心の洗濯をしている感覚です(笑)。“言えない自分”と“言い過ぎる自分”を行ったり来たりする毎日ですね。 ――ご自身の性格については、どのように思っていますか? 宇垣美里: 性格がキツいと言われることはありますし、自分でもすごくキツい人間だと思っています(笑)。言葉も強くて弁が立つので、人によっては圧を感じることがあると思います。私は非常に心が強くて楽天的である一方で、繊細さが足りない。繊細でなく、気が利くタイプでもないので、自分の振る舞いで不用意に人を傷つけることもあるというのは常々自覚していて、直さなきゃいけないと思っているところです。 ――なるべく人を傷つけないようにしようという思いを強く感じますが、そのように思われたきっかけはなんでしょうか? 宇垣美里: 今までは正論をぶつけることで「言ってやった!」と思っていました。しかし、30歳になって、相手を言い負かして恨みだけが残ってしまっては誰も幸せにならないということに気づきました。相手をボロボロにして終わりじゃない、もっと優しく伝えられるはずだなと。自分が出演した番組を後から見返して「うわ、キツいな……」と思ったり、妹や友だちから「言っていることは正しいけど、優しくないよ」と言われたりする中で、自分を顧みて今の自分になったのかなと思います。