米経営幹部の約4分の3が「週に一度は生成AI使用」、昨年から大幅増との調査
最近、ビジネスリーダーたちが人工知能(AI)、特に生成AIにどれほど適応しているかについて、多くの議論がなされている。これまで一部の経営者は、この技術に過度に依存することを避けてきたが、その慎重さは徐々に薄れつつあるのだろうか。 最新の調査結果によると、その慎重さは急速に消えつつある。米ペンシルベニア大学のAI研究センターであるAI at Whartonが、調査会社のGBK Collectiveと協力して800人の経営幹部を対象に実施した調査によれば、経営幹部の約4人に3人(72%)が少なくとも週に一度は生成AIを使用していると報告している。これは、2023年の37%から大幅に増加し ている。 昨年のこの時期、AIは主にデータサイエンスのプロジェクトとして位置付けられていた。リーダーたちの78%が、生成AIがデータ分析やリサーチなどの主要な業務に影響を与えると考えていたが、実際の使用は主に実験的な段階にとどまっていた。 しかし、研究者たちは「昨年の調査以来、状況は大きく変化した」と述べている。経営幹部の多くが自ら生成AIを活用し始めており、AIへの支出も過去1年間で130%増加している。 それでも、AI導入に対する慎重な姿勢は依然として残っている。調査によると、57%の経営者がAIへの支出増加が今後減速すると考えている。これは「企業が初期投資に対するROIをまだ模索していることの兆候」なのかもしれない。 そして、スキルと雇用が代替されるのではというAIに関連する懸念については、やや改善の兆しが見られる。ビジネスリーダーの90%が「AIは従業員のスキルを向上させる」と認識しており、これは2023年の80%から増加している。一方、雇用の代替に対する懸念は75%から72%にわずかに減少している。 さらに、AIの普及はIT部門を超えて広がっている。例えばマーケティングや営業の分野では、AIの導入率が昨年の20%から62%へと約3倍に増加した。オペレーション部門では、使用率が16%から50%に増えている。製品開発チームでは、使用率が40%から78%に増加している。 調査結果によると、AIの主なユースケースは文書処理や会議メモなど、経営層に関連する管理業務の負担を軽減するものだ。現在、生成AIの最も一般的なユースケースは以下の通りである。 ・文書および提案書の作成と編集:64% ・データの解析とその活用:62% ・文書・会議の要約:59% ・マーケティングコンテンツの作成:58% ・パーソナライズされたマーケティングおよび広告:58% ・社内ヘルプデスクとサポート:58% ・カスタマーサービスとサポート:58% また、組織の構造にも変化が見られる。興味深いことに、46%の経営幹部が自社内にCAIO(最高AI責任者)を設置していると報告している。
Joe McKendrick