滅多に使わないけど腐る? 雪国に行ったら凍る? クルマのウォッシャー液はメンテする必要があるのか
ウォッシャー液に寿命はある?
エンジンオイルやミッションオイル、デフオイル、そしてブレーキフルードやクラッチフルード、さらにはクーラントと、クルマに使われている液体は、定期的に交換することが原則。 【画像】オイルもタイヤも消耗するのはわかるけどボディとシャシーも消耗品だった ただし、唯一の例外がウォッシャー液で、これを交換する人はほとんどいない。なぜなら、ウォッシャー液は使えば使っただけ減るものなので、なくなったら継ぎ足すだけだから。 しかし、めったにクルマに乗らない、乗ったとしてもウォッシャー液なんてまず使わない、ひょっとしたら年単位で使っていないという人はどうしたらいいのか。 「ウォッシャー液ってほとんど水でしょ? 未使用だと腐るんじゃないの?」と思うかもしれないが、水道水をそのままウォッシャータンクに入れているのでなければ、飲むわけではないので1年ぐらいは品質劣化の心配ない。 カー用品店などで売られているウォッシャー液は、原液1:水1で希釈して使うのが一般的。 このウォッシャー液の主な成分は、エタノール、メタノール、グリコールなどのアルコール類で、大体それが10%前後の製品が多い。その10%前後のアルコールに加え、防腐剤が含まれた界面活性剤や防錆剤も含まれている。 これらのおかげで、指定どおりの濃度を守っている限り、1年ぐらいはほったらかしておいても問題ない。 明らかに変色している、嫌なにおいがするという場合は、灯油を給油するポンプ、通称「シュポシュポ」、正式名「石油燃焼器具用注油ポンプ(もとは『醤油チュルチュル』)」を使ってウォッシャータンクを空にして、新しいウォッシャー液に入れ替えるといい。
ウォッシャー液は凍る場合も
また、厳冬期にはウォッシャー液の濃度が低いとウォッシャー液が凍ってしまい、イザというときボタンを押してもウォッシャー液が出てきてくれないことも! そうならないためにも、冬場はウォッシャー液を希釈せず、原液のままタンクに入れておくのがおすすめ。 アルコール濃度が10%のウォッシャー液で、原液1:水1の割合だと、凍結温度はマイナス2度ぐらい。原液100%なら凍結温度はマイナス6度ぐらい。 それ以上寒さが厳しい地域で使用するなら、寒冷地用のウインドウォッシャー液(メタノール40~45%)を使用すること。寒冷地用なら、原液1:水1で、凍結温度はマイナス13度、原液100%なら凍結温度はマイナス40度程度までOKだ。 というわけで、ウォッシャー液の交換時期などはシビアに考える必要はなく、基本的には継ぎ足しで大丈夫。ただ、できれば半年ぐらいで使い切って、新しいウォッシャー液を足すのがベスト。 めったにウォッシャー液を使わないという人は、継ぎ足すとき、タンクを満タンにせず2分の1ぐらいまでウォッシャー液を入れておいて、それを半年から1年で使い切るのがいいかもしれない。 もっとも、あまりウォッシャー液を使わないと、噴射ノズルやパイプ内が詰まったりすることもあるし、屋外駐車なら、ひと雨降ればガラスはけっこう汚れるもの。晴れの日が続いても、自然に埃はガラスの上に堆積するし、クルマに乗る頻度が少ない人ほど、クルマに乗るたびにウォッシャー液を噴霧して、視界をクリアにしたいところ。 前回乗ってから、少し日が空いてしまったときは、クルマを車庫から出す前に、ウォッシャー液を遠慮なく噴射させて、ガラスを綺麗にするのと同時に、半年~1年で使い切れるよう、上手く消費してしまうようにしよう。
藤田竜太