中日・木下拓哉「打撃でも守備でも一つ抜けているところを見せないと」残留決めるも危機感募らせる 「ゼロからのスタート」で復権を誓う
中日・木下拓哉捕手(32)が26日、ナゴヤ球場に隣接する選手寮「昇竜館」で契約更改交渉に臨み、今季年俸6800万円から200万円増の7000万円で複数年契約を結んだ。4月に取得したFA権を行使して残留を決めた背番号35は、「ゼロからのスタート」で復権を誓った。現状維持の年俸3000万円でサインした石川昂弥内野手(23)は精密検査した左手首の状態が改善したと語った。 FA権行使を表明してから約2週間。残留を決めた木下が自身に課したミッションは再びドラゴンズの扇の要を担うこと。「2年間、思うような働きができていない中でドラゴンズから誠意ある評価をしてもらった。結果で応えるだけです」と口元を引き締めた。 23日のファンフェスタで球団に残留の意向を伝えてから初めて公の場で口を開いた。決断への経緯については「最初から誠意のある条件をドラゴンズにもらっていたので、ちょうどいいタイミングが23日だった」と説明。木下が行使を表明してからソフトバンクの甲斐も権利を行使。「他人の動向で自分の動向を決めるのが嫌だった」とも続けた。 来季は10年目。残留したからといって、居場所が確保されているとは思っていない。井上監督に残留の報告をした際には「実力が競ってたら、若いのを使うからな」と奮起を促された。「打撃でも守備でも一つ抜けているところを見せないと使ってもらえない。開幕に間に合わないと、1カ月は出番がないと思っている」と危機感を募らせた。 自信はある。今季は開幕から攻守ともに調子が上向かず、打率2割2分8厘、3本塁打、9打点。「去年6月に骨折した右手(甲)がイメージ通りに動かせるようになってきたのが夏ごろ。ようやく感覚が戻ってきた」。8月以降に限れば、打率3割6厘、2本塁打、6打点。打撃の感覚は戻りつつある。
中日スポーツ