【バレー】金蘭会高 大森咲愛&西村美波対談(前編) 大会前の不振&ケガを乗り越えて夏の頂点へ
――大会前の不振も乗り越えてたどり着いたインターハイの頂点。お互いの活躍はいかがでしたか? 西村 めっちゃよかったです。 大森 ほんまに? 西村 バックアタックも、前衛でのスパイクもよかった! 大森 ちょっと恥ずかしい(笑) インターハイ期間中はヒザが痛そうで、いつもの美波ではなかったです。ほんとうはもっとすごいんですよ! でも、悔しかったと思うけど、キャプテンらしくチームを盛り上げてくれて。プレーもすごいけど、シュンとしたときに明るくしてくれる。それは自分にはできないことだから、ほんとに尊敬しています。 西村 恥ずかしい(笑) 大森 ふだん言うことがないしな(笑) ――西村選手のひざはどんな状態でしたか? 大森 予選グループ戦(対東九州龍谷高〔大分〕)の公式練習が始まるときに美波がいなくて。 西村 ほんまにヤバかったんです。「咲愛、来て」って呼んで。 大森 美波が「ヒザが抜けた!」と言っていて。「いやいや、何言ってんの? やるで!」って返して。めっちゃ痛そうで大丈夫かよって、思いました。こっちも焦るじゃないですか。大会の最後のほうだったらわかるけど、まだ始まってもいなかったから。しかも、いきなり東龍(東九州龍谷高)戦だったので、美波がいないとヤバイやろ、って。 ――組み合わせが決まったときの心境はいかがでしたか? 西村 母から(予選グループ戦の)組み合わせが送られてきたときに「え?」って。「間違っている…?」と思っていました。 大森 向こう(中国)で見て発狂していた(笑) ダッシュで近づいてきて、「咲愛、やばい! 東龍!」って。去年の進徳女高戦があったから、焦っていたよな。でも、(ともにU20日本代表に選ばれていた西川)凜とか(花岡)千聡も「え、そうなん? イェーイ!」って。美波一人だけ焦ってた。 西村 トラウマがな(笑) ――大森選手も万全のコンディションではなかったそうですね 大森 3回戦の成徳(下北沢成徳高〔東京〕)戦から腹筋が痛くて、準決勝の東龍戦で「ブチっ」といってしまって。腹筋の肉離れでした。泣きそうなぐらい痛かったです。 ふだんはけがをしないので、ケガは初めてぐらい。でも、やるしかないと(テーピングを)グルグルに巻いてプレーしました。勝ったときはうれしさが半分、最後までもってよかったという気持ちが半分。思い出すだけで痛いです(苦笑) 西村美波 にしむら・みなみ/身長178㎝/最高到達点296㎝/金蘭会中(大阪)/アウトサイドヒッター 小中高すべてのカテゴリーで日本一を経験。金蘭会中では3年生時のJOC杯でも優勝に導き、最優秀選手賞に当たるJOC・JVAカップを受賞した。金蘭会高では1年生時からレギュラー。3年生時に自身初のアンダーエイジカテゴリー日本代表に選ばれた 大森咲愛 おおもり・さえ/身長173㎝/最高到達点298㎝/小野中(愛媛)/アウトサイドヒッター 小野中3年生時のJOC杯では準優勝し、優秀選手に選出。金蘭会高1年生時に出場した第14回アジアU18女子選手権大会でMVPとベストアウトサイドヒッターに輝いた。その後も毎年アンダーエイジカテゴリー日本代表として活躍 取材/田中風太(月刊バレーボール編集部) 写真/山岡邦彦(NBP)、月刊バレーボール編集部
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