イスラエル、イランへの報復措置協議-バイデン米政権は自制促す
(ブルームバーグ): イスラエルは10日夜に安全保障閣議を開き、イランによる先週のミサイル攻撃に対する報復措置について協議した。米国はイスラエル側に自制を求めているが、イスラエルが米国の要請を受け入れるかどうかは不明だ。
攻撃のタイミングに関する最終決定はネタニヤフ首相とガラント国防相が下すと、イスラエル公共放送KANが報じた。
バイデン米大統領は9日、8月以来初めてネタニヤフ首相と電話協議を行ったが、差し迫っているとみられるイランへの報復攻撃を巡り、イスラエルの決定に大きな影響力を行使できない様子が浮き彫りとなった。
バイデン大統領はイスラエルに対しイランの核施設を攻撃しないよう警告している。米政府高官はイランの石油インフラが攻撃された場合、エネルギー価格が高騰し世界経済に打撃が及ぶと懸念している。
安全保障内閣メンバーのガムリエル科学技術相は、イランからのさらなる攻撃を防止すべく「正しい決断を下す」と述べ、イスラエルがすぐに行動を起こす可能性もあるとKANに対して述べた。別の安全保障閣僚の補佐官は、イスラエルの報復に関する承認投票が行われるとの見方を匿名で示した。
米国はイスラエルに対し、イランに対する報復を軍事目標に限定するよう強く求めている。事情に詳しい関係者によれば、米国はイランに対する新たな経済制裁も提案している。
バイデン政権が会談後に公表した声明には、想定されるイスラエルのイラン報復攻撃に関して言及はなかった。声明はバイデン大統領が「イスラエルの安全保障に対する確固たるコミットメントを再確認」し、10月1日にイスラエルに対し行われた「イランの弾道ミサイル攻撃を明確に非難」したと記載しただけだった。一方、イスラエル側の会談に関する声明の発表はなく、両国間の緊張を示唆している可能性がある。
ガラント国防相は9日、「イランへの攻撃は強力かつ正確で、何より驚くべきものになるだろう」と述べ、「彼らは何が起こったのか、それがどのように起こったのか理解できないだろう。結果を目の当たりにすることになる」と付け加えた。