エルメス麻布台ヒルズ店、メゾンが大事にしている手仕事の美と自然に包まれる
連載《イマドキ好感度》Vol.12
2024年2月末、「麻布台ヒルズ」(東京・港)に新たな店舗をオープンしたエルメス。開店から数カ月たったいまでも、休日はもちろん平日も人波が途切れることはない。麻布台ヒルズにおいて、エルメスの店舗は特別な存在感を放つ。ブランドが大事にしている文化という観点から、その魅力をクローズアップする。 【写真はこちら】「店舗自体が職人による秀逸な作品の1つ」ともたたえられたエルメス麻布台ヒルズ店。自然と調和した心地よさを味わえる店舗の写真はココからチェック
■東京の新時代を象徴する新名所、麻布台ヒルズ
日本の各地から多くの人が来訪し、インバウンドも立ち寄る「新名所」となった麻布台ヒルズ。「緑に包まれ、人と人をつなぐ『広場』のような街 - Modern Urban Village(モダン・アーバン・ビレッジ) - 」をコンセプトに、森ビルが手掛けた複合施設だ。 まずは、同施設の概要を押さえておこう。 上述のコンセプト通り、ここには商業施設だけでなく、ホテルや住宅、オフィス、インターナショナルスクールまで、さまざまなコミュニティーが形成されている。まるで1つの街のようなつくりだ。 この場所は、もともと周辺にホテルや大使館が集まり、外国の大使館関係者らも居住していたグローバルなエリア。それだけに、どちらかというとアミューズメントという雰囲気ではなかった。 ところが、この麻布台ヒルズができてから街の雰囲気はガラッと変わった。同施設は六本木ヒルズ(東京・港)をはじめ複数の「ヒルズ」のほぼ中間に位置し、先に挙げたように、さまざまな都市機能を持つ。そんな麻布台ヒルズができたことで、付近一帯はまさに東京の新時代を象徴するようなエリアになった。
■新ショップ ガーデンプラザCの落ち着いた一角に
さて、そんな麻布台ヒルズだが、飲食店の多くは東京メトロ日比谷線の神谷町駅(同・同)からつながっている「ガーデンプラザ」のA、B、D棟に集中している。特ににぎわっているのが、ガーデンプラザAの「駅前広場」周辺だ。春先に訪れたところ、どのカフェにも行列ができていた。 そんなショップやレストラン街から少しだけ距離を置いた、「中央広場」近くのC棟。その一角にエルメスの新ショップがある。 C棟には、ラグジュアリーブランドが集まっている。麻布台ヒルズ自体の開業は2023年11月24日だが、その後、それぞれのブランドの店舗がオープンしていった。エルメスは2024年2月29日にオープンし、大きな話題となった。