ラグビー大学選手権決勝の5000人超え有観客試合実施決定に賛否…「全国高校大会決勝は無観客なのに…」
何よりも大阪府の花園ラグビー場で9日に行われる全国高校大会決勝と、兵庫県の神戸ユニバー記念競技場で10日に行われる全国高専大会決勝は、ともにJRFUの主催ながら無観客で行われる。大阪府と兵庫県、京都府が政府へ緊急事態宣言の再発出要請を決めているなかで、大学選手権決勝だけが特別扱いされる状況に、東京五輪を引き合いに出しながら揶揄する声も見られた。 「大学選手権決勝のような大きな大会を無観客としてしまえば、当然、東京五輪も、という議論になってしまうので、日本政府に忖度したのか。スポーツと政治は別、というのは嘘ですよね」 全国高校大会や全国高専大会は当初から無観客で開催してきたと振り返り、その延長線上にそれぞれの決勝戦があると強調した岩渕専務理事は、今回の大学選手権決勝開催の意義をこう語っている。 「スポーツに携わる人間として、我々がやらなければいけないことはお客さんを入れる、入れないといった議論ではなく、スポーツの活動を選手、関係者、そしてファンのみなさんと一緒になって、すべての方々の協力をいただいて、ワンチームとして乗り越えていくことだと思っています」 乗り越えていくのは昨シーズンのトップリーグを中止に、日本代表の活動を休止にそれぞれ追いやった新型コロナウイルス禍に他ならない。決勝の舞台から新たな感染者を出さないための予防対策を、さらに微に入り細をうがつ形でJRFUは11日の試合当日まで追い求めていく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)