火野正平さん死去、75歳 個性的な役柄演じ独特の存在感で親しまれた元祖プレーボーイ
個性的な役柄を演じ、独特の存在感で親しまれた俳優、火野正平(ひの・しょうへい、本名・二瓶康一=にへい・こういち)さんが14日に自宅で死去したことが20日、分かった。75歳だった。葬儀は家族で済ませた。所属事務所によると、夏に腰を骨折したのを機に体調を崩したという。芸能界の元祖プレーボーイと言われた名優は最後まで仕事復帰を願っていたが、力尽きた。 色気あるひょうひょうとした雰囲気で人気を博した〝昭和の色男〟が突然逝った。この日、所属事務所が文書で訃報を発表。「4月から持病の腰痛の治療に励んでおりましたが、夏の腰部骨折を機に体調を崩し…」と経緯を記した。本人は最期まで仕事復帰を願っていたがかなわず、自宅で家族に見守られ、穏やかな最期だったという。 5月には歌舞伎俳優、松本幸四郎(51)主演の時代劇ドラマ「鬼平犯科帳 老盗の夢」の収録に参加。これが最晩年の作品となり、来年2月8日に時代劇専門チャンネルで放送される。 事務所は死因や最近の様子など詳細について「遺族の意向で公表しません。お別れの会は未定です」としたが、親交の深い俳優、中野英雄(59)はSNSで「最後は奥様や家族に手を握られながら逝った先輩 素敵だよ」と投稿。「11月3日に電話をくれましたね 嬉しかった」と明かした。 東京都出身の火野さんは1961年から子役として活動。作家、池波正太郎さんが芸名の名付け親となり、73年のNHK大河ドラマ「国盗り物語」で羽柴秀吉を演じて話題に。以降は時代劇や任侠ものを中心にドラマや映画に多数出演した。 2011年4月スタートのNHK BSの旅番組「にっぽん縦断 こころ旅」では視聴者の思い出の地を自転車で訪ねる姿が13年以上にわたり人気だったが、腰痛悪化を理由に今年4月からロケを中止。10月から数人の代役が務めていた。 私生活では1971年に一般女性と結婚。長男と長女をもうけたが、70年代から数々の女優と浮名を流した。お相手は新藤恵美(75)、小鹿みき(75)、西川(現・仁支川)峰子(66)…。それでも、最初の妻は離婚してくれなかったという。 40年以上前には別の一般女性と事実婚状態となり、2女が誕生。その事実を2016年の半生記「若くなるには、時間がかかる」にも明記した。中野英雄が明かした最期を看取った「奥様」は、その女性とみられる。